研究課題/領域番号 |
21H04497
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研究機関 | 武蔵野美術大学 |
研究代表者 |
宮原 ひろ子 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (00532681)
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研究分担者 |
門叶 冬樹 山形大学, 理学部, 教授 (80323161)
堀内 一穂 弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (00344614)
森谷 透 山形大学, 理学部, 助手 (40732392)
櫻井 敬久 山形大学, 理学部, 客員教授 (60150265)
堀田 英之 千葉大学, 大学院理学研究院, 准教授 (10767271)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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キーワード | 太陽ダイナモ / 太陽活動周期 / 太陽活動極小期 / 宇宙線生成核種 / 加速器質量分析 / 太陽フレア |
研究実績の概要 |
本研究では、樹木年輪中の炭素14濃度を1年分解能で超高精度で分析することで、太陽活動極小期の発生直前の11年周期の特性を明らかにし、太陽活動の長期的低下のメカニズムについて手掛かりを得ることを目的としている。また、発展的目標として、太陽活動極小期と大規模太陽フレアとの関連性について議論することも目指している。 今年度は、ウォルフ極小期の発生直前の時代について、炭素14濃度の分析を重点的に行った。分析には、下北半島の猿ヶ森埋没林から採取されたアスナロの年輪を使用し、山形大学高感度加速器質量分析センターで重複測定を行った。 その結果、太陽活動が低下に向かう年代において大規模な太陽フレアが3回にわたって発生していたことが判明した。炭素14の増加が見られたのは、1262年、1269年、1280年の年輪で、それぞれ最大規模の太陽フレアである775年イベントの約13%、約27%、約19%の規模であった。いずれも11年周期の極大付近から衰退期にかけて発生していた。また、1262年のイベント以降、太陽周期が数年長くなっていた可能性も示された。太陽活動の低下にともない太陽内部で磁場が乱流の影響を受けやすくなっていた可能性や、複雑な黒点の出現によって極小期の発生が後押しされた可能性があることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究ではシュペーラー極小期などの100年以上にわたって継続する太陽活動極小期について優先的に分析することを予定していたが、大規模な太陽フレアの発生を示唆する炭素14濃度の増加がウォルフ極小期の開始直前の年代において確認されたため、その前後の年代の分析を優先させ、次年度よりシュペーラー極小期の本格的な分析を開始することとした。
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今後の研究の推進方策 |
シュペーラー極小期の発生直前の時代について重点的に分析を行い、11年周期の振る舞いや大規模太陽フレアの有無などを精査していく。
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