研究課題/領域番号 |
21H04503
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高嶋 礼詩 東北大学, 学術資源研究公開センター, 教授 (00374207)
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研究分担者 |
黒田 潤一郎 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (10435836)
西 弘嗣 福井県立大学, 恐竜学研究所, 教授 (20192685)
沢田 健 北海道大学, 理学研究院, 教授 (20333594)
林 圭一 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 産業技術環境研究本部 エネルギー・環境・地質研究所, 主査 (30707906)
折橋 裕二 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (70313046)
星 博幸 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (90293737)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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キーワード | 白亜紀/古第三紀境界 / 大量絶滅 / 根室層群 / 北海道 / 白糠丘陵 |
研究実績の概要 |
2021年度は,9月中旬に北海道白糠丘陵川流布川支流セクションにおいて野外調査を実施し,同地域に露出する川流布層の柱状図とルートマップを作製した.さらに,微化石,炭素同位体比,オスミウム同位体比用の約200試料の泥岩および15試料の凝灰岩試料を採集した.特に,K/Pg境界近傍と思われる層準については,地層の厚さで,約25㎝間隔という高解像度での試料採集を実施した.これらの試料に対し,浮遊性有孔虫化石,石灰質ナンノ化石,渦鞭毛藻シスト化石の抽出処理を行った.抽出した石灰質ナンノ化石を検討した結果,K/Pg境界付近に特徴的な,Thoracosphaera operculataとThoracosphaera saxeaの多産層準がみられ,浮遊性有孔虫化石については,ダニアン下部に出現するEoglobigerina eobulloidesの産出を確認することができた.さらに,オスミウム同位体比の検討により,微化石に基づくK/Pg境界付近において,顕著な負のシフトが見られ,K/Pg境界の位置をほぼ1m以内の範囲で特定することができた.さらに,オスミウム同位体比の負異常の直上から得られた凝灰岩からジルコンを抽出し,そのU-Pb年代測定を行ったところ,65.44±0.89 Maの値を得た.K/Pg境界の年代については,近年,66.05 Maとされているため,今回得られた結果はこの年代値と誤差の範囲内で一致する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画していた各種分析(炭素同位体比,微化石,オスミウム同位体比,ジルコンのU-Pb年代測定)は順調に進んでいるため.
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今後の研究の推進方策 |
K/Pg境界層の特定はほぼ実施できたが,その上下の地層についてもより詳細に検討し,高精度の年代対比を行いたい.それにより,K/Pg境界におけるより長期間の環境変動をトレースする,
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