研究課題/領域番号 |
21H04515
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
福士 圭介 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 教授 (90444207)
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研究分担者 |
長 勇一郎 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (00737687)
関根 康人 東京工業大学, 地球生命研究所, 教授 (60431897)
松木 篤 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 准教授 (90505728)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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キーワード | 初期火星 / 惑星探査 / 水質 / 古環境 / ラマン分光 |
研究実績の概要 |
NASA探査車パーシビアランスは火星のかつて湖だったジェゼロクレーターにて生命の痕跡を探査している。リモートセンシングによる観測から、ジェゼロクレーターには水の作用で生成した粘土鉱物が存在することが確認されており、その鉱物種や化学組成を同定できれば、過去のジェゼロクレーターに存在した水質を知る手掛かりになる。今年度はこれまでに開発したパーシヴィアランスとほぼ同様の仕様を持つ時間ゲートラマン分光計を用いて未知試料のラマンスペクトルから、粘土鉱物種を分類同定する手法の検討を行った。スメクタイト4種、タルク、蛇紋石2種および無水ケイ酸塩2種、さらに炭酸塩鉱物2種、全23試料を対象に、一般的な顕微ラマン(以降ノーマルラマン)分光測定および時間ゲートラマン測定を行い、得られたスペクトルの系統的な比較を行った。その結果、ノーマルラマンでは各試料で得られたラマンピークから、鉱物種レベルまで層状ケイ酸塩を分類できることを示した。一方、時間ゲートラマン測定では、パーシビアランスの仕様条件である露光時間では、ほとんどの層状ケイ酸塩試料で鉱物に由来するラマンピークは得られないことを示した。現在パーシビアランスはジェゼロクレーターにおいて粘土鉱物をラマン分光分析において見出していないが、その理由は現行の仕様では検出できない可能性が示唆された。 パーシビアランスによる探査から、ジェゼロクレーターには稀産であるもののマグネシウム炭酸塩鉱物が存在することが確認されている。本年度は水溶液からのマグネシウム炭酸塩鉱物の生成挙動に関する検討も行った。その結果、水溶液からの沈殿で生成するマグネシウム炭酸塩の溶解度は強い温度依存性があり、ゼロ度付近の低温条件では生成が大きく抑制されることを明らかにした。この結果は火星における炭酸塩の稀産性を説明する可能性がある。
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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