研究課題/領域番号 |
21H04522
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
田口 真 立教大学, 理学部, 教授 (70236404)
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研究分担者 |
高橋 幸弘 北海道大学, 理学研究院, 教授 (50236329)
佐藤 光輝 北海道大学, 理学研究院, 教授 (50312541)
中野 壽彦 大分工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (50748986)
莊司 泰弘 金沢大学, 先端宇宙理工学研究センター, 准教授 (70582774)
今井 正尭 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任助教 (70830389)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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キーワード | 気球実験 / リモートセンシング / 金星大気 / 大気循環 / 大気化学 |
研究実績の概要 |
JAXA相模原キャンパスにおいて気球ゴンドラの製作及び調整を進めた。行った項目は以下である。 ・ゴンドラの設計と解析:宇宙機の設計会社テクノソルバに外注した。ゴンドラ設計案についてJAXA有識者から意見を聞いたところ、放球時にゴンドラにかかる外力の設定が不適切という指摘があった。このままの設計では放球時の衝撃に耐えられない恐れがあるため、設計をやり直すこととした。・ゴンドラ組立:上記ゴンドラ設計でゴンドラを組み立てた。・ピギーバックmini-SGDとの噛合試験:大きな問題はないことを確認した。・ワイヤハーネスの製作:ケーブルやコネクタを新規購入すると納期が1年以上かかるため、FUJIN-1のケーブルを再利用した。・カメラ及び分光器動作試験。・テレメトリー・コマンド試験。・質量測定。・可動第3鏡と光電子増倍管による追尾補正機構の特性評価:Raspberry Piを用いて光電子増倍管出力を取り込んで演算結果を可動鏡のコントロール電圧として出力するプログラムの雛形を製作した。・コントロール・モーメント・ジャイロ、デカップリング・モーター、望遠鏡駆動モーターの動作確認を行った。・イリジウム通信機の通信テスト、EMC測定を行った。・ゴンドラ動作時のEMC測定:EMC測定を行った結果、条件をかなり逸脱していることが判明した。 International Symposium on Space Technology and Science (ISTS)、地球電磁気・地球惑星圏学会、大気球シンポジウムにて研究発表を行った。 研究経費は主に消耗品購入費、出張旅費、学会参加費・旅費、論文出版費、通信費に使用した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2023年4~5月にオーストラリア・アリススプリングスで実施するJAXA気球実験に参加する予定であったが、開発の遅れから参加を断念した。もし仮に参加できる状態に仕上がっていたとしても、JAXA側の予算の都合で実施できなかった可能性が高い。また、パンデミックや戦争の影響により、世界的な物流の遅延が起こっており、ケーブルやコネクタなどの一部の部品が入手困難になっている。
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今後の研究の推進方策 |
次の気球実験の機会を目指して、入念に準備することとした。JAXA気球実験の計画では次の気球実験は2026年になる見込みである。それは本研究課題の研究期間終了後となるが、本研究課題期間中に実験に参加する準備を整える。JAXAの開発スペースが利用できなくなるため、2023年度以降は金沢大学を開発拠点とする。2023年8~9月にハワイ・マウイ島東北大学天文台で金星の地上観測を実施する。そこで得られたデータから吸収物質の一部は同定できる可能性がある。
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