研究課題
基盤研究(A)
本研究では、関節軟骨のせん断抵抗緩和効果や軟骨と糖・蛋白・脂質などの生体高分子成分と協調によって表面近傍に形成される吸着膜の凝着抑制効果および潤滑効果に着目し、実験と有限要素モデル・数理モデルの解析の連携研究を通じて、高含水ソフトマターの超潤滑発現メカニズムを理解し、生体を規範とする摩擦低減技術に結びつく工学的知見を獲得することを目的としている。
関節軟骨の摺動面の相対すべりについて、低速域、遷移域、高速域の3つのすべり速度域に分けて、潤滑機能の発現メカニズムを明らかにすることを目指しており、数理モデルを用いて、支配因子の特定と物理パラメーターの抽出を通じて、摩擦・潤滑現象の普遍的な理解が進むといった成果が期待される。その結果、生体を規範とする超潤滑に対する革新的な技術に応用できる可能性があり、工学的意義が認められる。