研究課題/領域番号 |
21H04539
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 雄二 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (80222066)
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研究分担者 |
赤松 史光 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (10231812)
堀 司 大阪大学, 大学院工学研究科, 講師 (40744066)
范 勇 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (40748662)
齋木 悠 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60550499)
李 敏赫 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (80828426)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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キーワード | 燃焼 / 壁面 / 表面機能化 / 壁面吸着種 / レーザー計測 |
研究実績の概要 |
2022年度は主として下記の取り組みを行った. 1)熱炎における壁面近傍の化学種の精密計測:アンモニア火炎を加熱壁に衝突させた系において,アンモニア火炎のNH3-TALIF,NH2自発光計測,NH-LIFを行い,壁面近傍の化学種分布を調べた.また,燃焼場でほとんど計測例のないN原子について,新たに3吸収レーザー誘起蛍光法を構築し,初期的な検討を行った.さらに,比較対象として,アンモニアの対向流バーナーを新たに構築した. 2)定量計測に基づく表面反応のモデル化:加熱壁面に燃料と酸素富化させた空気の混合気を衝突させることにより形成する独自の壁面安定化冷炎を対象とし,直鎖アルカンの炭素数,および表面材質が着火,消炎温度に与える影響について系統的に調べ,炭素数の増大に伴って着火,消炎温度が低下すること,一方SiO2壁面に対してFeなどの金属面では顕著に着火,消炎温度が上昇することを明らかにした.さらに,温度とHCHOを同時計測可能な可変半導体レーザー吸収分光法(TDLAS)による計測システムを新たに構築し,圧力,当量比が着火温度に与える影響を調べた.また,アンモニアの熱分解について,フローリアクタでの系統的な計測から石英壁面,ステンレス壁面上での一段階反応モデルを構築し,気相での熱分解反応よりも顕著に低い温度から反応が始まることを明らかにした.そして,気相中の詳細反応,壁面での一段階反応を組み込んだ2次元計算を行って,ラジカル分布が計測データとよく一致することを示し,表面反応モデルの妥当性を示した. 3)アンモニア火炎における窒化プロセスの検討:アンモニア火炎を加熱壁に衝突させ,表面硬さおよび壁面材料中の窒素原子濃度をそれぞれナノインデンター,波長分散型X線分光法(WDS)により計測し,窒化に対する壁温の影響,窒化に対する支配的なパラメータを明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
冷炎,アンモニア火炎に対する壁面での表面反応の影響を詳細に検討し,多くの新しい知見を得ることができた.その結果は,海外ジャーナル3篇,国内ジャーナル1篇の査読論文としてまとめた.どの研究項目についても概ね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
これまでのそれぞれの取組みを推進し,さらに研究成果を挙げることを目指す.また,コロナの影響で共同研究者との対面での研究会ができていなかったので,研究会を開催して相互の理解をより強める.
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