研究課題
2023年度は主として次の取組みを行った.1)壁面近傍の化学種の精密計測:アンモニア火炎を加熱壁に衝突させた系において,アンモニア火炎のNH3-TALIF,NH2自発光計測,NH-LIFを行い, 壁面近傍の化学種分布を調べ,ノズルを壁面に近づけた場合に開いた火炎が形成され,噴流中心ではアンモニア混合気が直接壁面に衝突するのに対し,周辺では火炎帯が形成されてアンモニアが消費されるため,アンモニアよりもNH2の方が濃度が高い領域が生じることが明らかになった.また,この領域においても壁面の窒化が生じることから,アンモニアだけでなくNH2も窒化に影響することを示した.2)アンモニア火炎における窒化プロセスの検討:アンモニア火炎を加熱壁に衝突させ,表面硬さおよび壁面材料中の窒素原子濃度をそれぞれナノインデンター, 波長分散型X線分光法(WDS)により計測し,壁温が上昇するとアンモニアの表面反応による分解率は顕著に増大するものの,発生する窒素原子の再結合が相対的に速くなり,窒化の程度が減少する.また,水蒸気濃度が高くなると,窒化が抑制されることが明らかになった.3)第一原理計算を援用した拡散のモデル化:第一原理計算を援用したAIMD(Ab initio molecular dynamics)により,鉄系材料中の窒素原子の拡散過程の解析を進めた.実験結果より,窒素原子の拡散係数が温度だけではなく窒素原子濃度にも依存することが判っているので,それらを予測できるように鉄-窒素化合物の様々な結晶配向における計算を進めた.
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
Journal of Ammonia Energy
巻: 1 ページ: 1~10
10.18573/jae.8
International Journal of Hydrogen Energy
巻: 48 ページ: 29209~29219
10.1016/j.ijhydene.2023.04.106