研究課題
本研究は,低温で形成でき高い機能性を有する酸化物半導体と強誘電体HfO2の融合を基軸として,酸化物半導体トランジスタで強誘電体HfO2メモリ要素を駆動する三次元集積化可能な大容量メモリデバイスと,それを応用した三次元積層型インメモリコンピューティングの実現に向けて学理追求と基盤技術構築を目的としたものである。2023年度は三次元モノリシック集積化技術で重要となる酸化物半導体の微細化に向けて、10nm以下のナノシート酸化物半導体の原子層堆積法による成膜技術を確立した。そして、集積化技術で必須となる高温安定性を有するInGaOxに着目し、ナノシートInGaOxトランジスタの電気特性を膜厚・組成比を系統的にふることで解析した。その結果、5nm程度まで移動度、サブスレショルド特性、信頼性で良好な特性が維持できることがわかり、トランジスタの微細化可能性を明らかにした。一方、5nm未満の膜厚では特性が劣化することがわかり、その原因追及を今後進めていくことになる。またナノシートInGaOxの性能向上に向けてダブルゲート型トランジスタ構造を提案、実際に施策と評価を行い、予想通り、単一のデバイスで2倍以上の駆動電流が得られるとともに、想定外の信頼性向上を実現することができた。以上の結果は、集積半導体技術の最高権威の国際会議の一つであるVLSI Symposium 2023で発表を行い大きな注目を受けた。この発表に関連して筆頭著者の学生は応用物理学会とIEEEよりBest student awardを受賞している。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 4件、 招待講演 8件) 備考 (1件)
Japanese Journal of Applied Physics
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https://nano-lsi.iis.u-tokyo.ac.jp/publications_j/