研究課題
(1) 本研究のコアデバイスであるマルチアパーチャ・マルチストレージコンピュテーショナルCMOSイメージセンサ(MaMs-compCIS)について,画素ピッチ11.2μm,アパーチャ当たりの画素数200×250画素,アパーチャ数3×2のイメージセンサを設計し,試作した.このセンサは,アパーチャ毎に個別の露光パターンを設定できるため,光源およびイメージセンサの波長強度と感度に合せた適切な露光が可能である.また,空間周波数領域イメージング(SFDI)と多重露光レーザースペックルコントラストイメージング(MELSCI)をアパーチャごとに割り振る場合,露光パターンそのものが異なるため,その様な露光にも対応できる.このイメージセンサは動作検証を進めている.(2) 8タップCMOSイメージセンサを用い,ヒルベルト変換を適用することで,波長当たりのパターン投影枚数を2とし,3波長同時にSFDIを適用し室内光があり,被写体が動いている条件でも,酸素飽和度と全ヘモグロビン量が適切に計測できることを実証し,その成果を生体光計測分野のトップジャーナルであるJournal of Biomedical Opticsで発表した.(3) 波長依存が小さく,小型・高コントラスト・多波長重畳が可能な2値構造照明生成用の光学モジュールを開発した.本年度は,今までに構築したマルチライン生成光学系を用いて計測した反射画像に対してキャリブレーションを行い,吸収係数,等価散乱係数の2次元分布を推定した.(4) 短パルスの2値構造光を生体に照射して得られる時空間的光信号を用いた簡易的なリアルタイムトモグラフィ技術として,ルックアップテーブル(LUT)を利用した時空間周波数領域イメージング(STFDI)について,シミュレータを用いて3次元的な分布をもつ数値ファントムについて,STFDIを用いると光学パラメータの推定精度が表層,深部の両方について向上することを確認した.
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Biomedical Optics
巻: 29 ページ: 016006
10.1117/1.JBO.29.1.016006