研究課題
(1)ナノからマイクロメートルスケールを包含するデジタル微細構造場の構築HYMOSTRUC(デルフト大で開発され多くの研究実績を有する微細構造解析法)及びCEMHYD3D(米国・NISTによる微細構造解析法)を用いて算定し、X線マイクロCTによる測定結果と突き合わせた結果、計算で得られる仮想微細構造は物質移動の重要な指標である連結性を十分に表現できていないことを明らかにした。そこで畳み込みニューラルネットワークと敵対的生成ネットワークを組合せたDCNN-GANによって、2次元画像から3次元微細構造を生成する新技術「SliceGAN」を用いて2次元SEM画像を3次元微細構造へと変換し、それに基づく物質輸送解析を実施した。相体積比、パーコレーション比、2点相関関数、有効拡散係数などの主要指標を用いて検証した結果、SliceGANによって生成された3次元擬似微細構造は画像技術から同定される実際の微細構造と比較して物質輸送解析の観点から十分な精度で再現することに成功した。(2)マルチスケールボトムアップモデリングによる物質輸送解析と検証クラス3(毛細管空隙スケール)からクラス4(セメント硬化体スケール)に基づくマルチスケールボトムアップモデリングを行い、実験データとの比較検証を行った。クラス3におけるOPC(普通ポルトランドセメント)のみを用いた場合の拡散係数は、10~300 nmの範囲にまたがる微細構造の連結性のみを考慮した場合、OPCにFA(フライアッシュ)を加えた場合の2倍であることを明らかにした。またクラス4では、OPCのみの場合について実効拡散係数のシミュレーションは様々な実験データと良好に一致した。しかしながらOPCにFAを加えた場合、計算結果は実験結果の約4倍高い値となった。これはクラス3で同定された微細構造の連結性の違いのみならず電気二重層(EDL)によるイオン拡散の遅延やナノ細孔の連結性(細孔径1~10nm)など、より微視的な現象に由来することを明らかにした。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2024 2023
すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 2件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件)
Cement and Concrete Composites
巻: 144 ページ: 105299~105299
10.1016/j.cemconcomp.2023.105299
Structures
巻: 48 ページ: 1920~1931
10.1016/j.istruc.2023.01.081
Reliability Engineering, System Safety
巻: 233 ページ: 109095~109095
10.1016/j.ress.2023.109095
巻: 141 ページ: 105126~105126
10.1016/j.cemconcomp.2023.105126
巻: 55 ページ: 763~777
10.1016/j.istruc.2023.06.050
Construction and Building Materials
巻: 399 ページ: 132554~132554
10.1016/j.conbuildmat.2023.132554
Journal of Building Engineering
巻: 77 ページ: 107554~107554
10.1016/j.jobe.2023.107554
土木学会論文集
巻: 79 ページ: -
10.2208/jscejj.22-00365