研究課題/領域番号 |
21H04579
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
藤川 昌樹 筑波大学, システム情報系, 教授 (90228974)
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研究分担者 |
中野 茂夫 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (00396607)
今村 洋一 椙山女学園大学, 文化情報学部, 准教授 (00568404)
不破 正仁 東北工業大学, 建築学部, 准教授 (20618350)
李 雪 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教 (20805915)
中島 伸 東京都市大学, 都市生活学部, 准教授 (50706942)
高橋 珠州彦 明星大学, 教育学部, 准教授 (50848819)
加藤 悠希 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (80790815)
劉 一辰 明海大学, 不動産学部, 講師 (90782342)
高屋 麻里子 滋賀県立大学, 環境科学部, 講師 (90837717)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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キーワード | 看板建築 / 蔵造り町家 / 街路拡幅 / 区画整理 / 隅切り / 防火対策 / RC造 / 煉瓦造 |
研究実績の概要 |
本研究は全国の地方都市で、1868年から1940年の間に発生した大火の復興に際し、区画整理・街路拡幅・軒切り・隅切りなどの都市整備が、どの程度実施されたのか、また、いかなる種類の町家建築がそこには建てられたのかを明らかにした上で、その結果にa)大火の発生時期、b)大火前の建築的伝統、c)大火が地震を伴っていたか、d)大火前の都市計画案の存否、がいかなる影響を与えたかを検討するものである。この作業を通じて、これまで光が当てられてこなかった、近代に整備された地方都市の町並みの再評価を試みようとするものである。 2021年度は『日本の大火』(災害科学研究会著、技報堂、1956)を基礎資料とする1,719件の大火データ・ベースを作成した。これにもとづき、Google Street Viewを用いて残存遺構の把握を行うとともに、現地での概要調査を行う予定であった。しかし、コロナ禍が原因で現地調査が難しかったため、繰り越して研究分担者各自が各地の調査を実施したほか、2022年7月16-18日に長野県(上諏訪・松本・伊那・長野・小諸)で、研究者全員が参加する合同調査を実施した。 一方、オンラインで計5回の研究会を実施した。各回の研究発表内容は、第1回で研究計画について議論したのち、第2回:藤川「石岡から全国へ」、第3回:中島「近代大火復興の地方都市整備と町家建築-福井県三国町の報告」・不破「奥州街道沿いの宿場における民家の外通路の実態とその構成」、第4回:鳥居佳穂(中野研)「近畿地方における大火復興を通してみた町並みの再評価 -舞鶴市と豊岡市を対象として- 」・劉「災害の復興と房総半島の町並みの関係について」、第5回:今村「中部地方の大火復興町並み(中間報告)」・加藤「呼子の町屋と大火」であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
まずはデータベースを完成させ、これを共同研究の土台とすることができた。また、特に中部地方以東にはかなり興味深い対象地が存在することも確認できた。以上のことからおおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
魅力的な研究対象が中部地方以東に少なからず存在することが判明したため、これらの研究を深めるとともに、いまだ調査の手薄な近畿地方以西の調査を進めていきたい。
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