研究課題
本研究において打ち立てた以下2点の化学設計指針に従って、研究計画におけるロードマップに設定したとおり、「有望物質の探索」に取り組むと同時に、薄膜化への取り組みを行った。・高対称性結晶(具体的にはペロブスカイト型構造)中に意図的に「非結合性軌道」を導入し、適切なバンドギャップと、p型にもn型にもドーピングが可能な電子状態を実現する。・高効率化に不可欠な直接遷移型にするために、長周期構造を利用したバンドの折りたたみを利用する。その結果、これまで見いだしてきたペロブスカイト型構造物質だけでなく、ペロブスカイト型構造とは全く異なる結晶構造を有する別の有望カルコゲナイド物質を見いだした。そして、既に見いだしていたペロブスカイト型構造を有するSrHfS3やBaZrS3の薄膜合成については、パルスレーザー堆積法とクラッキングセルによる直接成長、またはCS2を用いた熱処理により成功した。
2: おおむね順調に進展している
ペロブスカイト型構造を有するSrHfS3やBaZrS3の薄膜化に成功し、本課題における化学設計指針に従って、有望物質の探索に取り組んだ結果、ペロブスカイト型構造とは異なる結晶構造を有する別の有望カルコゲナイド物質も見いだしている。
・薄膜合成に成功した試料については、より高品質化に取り組むと共にドーピング実験を開始する。・ペロブスカイト型構造以外の結晶構造を有する別の有望カルコゲナイド物質を見いだすことに成功しているので、今後その物質も研究の基軸に取り込む。・引き続き、設計指針に合致するペロブスカイト型カルコゲナイドおよび関連化合物を網羅的に合成し、第一原理計算を併用しながら、目的に合ったバンドギャップを有する有望物質候補の試料合成および評価を行う。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 1件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 2件)
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