広義のトポロジカルな磁気状態を形成する面内強磁性薄膜/非磁性薄膜/垂直磁化強磁性多層膜ヘテロ構造、面内強磁性薄膜/非磁性薄膜/垂直磁化強磁性多層膜ドットヘテロ構造、強磁性合金薄膜、強磁性酸化物薄膜など種々のヘテロ構造に対して、磁気ダンピング特性を網羅的に評価した。その結果、全てのヘテロ構造において特異な負の見かけの磁気ダンピング定数が観測された。この特異な負のダンピング定数は、個々のヘテロ構造系に依存せず、磁気的な不均一性がわずかに現れる磁気状態において顕著となる現象であることを突き止めた。この結果は、磁気的不均一性を制御することが磁気ダンピングを制御する上で極めて重要であることを示している。
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