研究課題
基盤研究(A)
触媒材料の評価で重要な点は、活性サイトの特定である。活性サイトは、電位および電荷の分布(触媒ナノ粒子の電気分極)に関しての特異点であり、分子の吸着・離脱に寄与する。しかし、活性サイトにおける分極量は極めて小さいものと予想され、検出は困難であるとされる。本応募者は、既に開発している、高感度(電子1個分の電荷を検出できる)電子線ホログラフィーを用いて、局所的な電荷分布およびその変化の検出に挑戦する。
低ドーズ・ストロボ撮影、ノイズと微弱な信号を分離する統計数理解析を行うことによりナノオーダーでの触媒のメカニズムを明らかにしようとする挑戦的な研究である。応募者は研究の推進を行うことに対して十分な実績を有しており、特異点の学術的な理解が得られることが期待できる。応用の観点からは、大気の浄化、水素化・脱水素などの環境およびエネルギー問題を解決するための技術を得ることが期待される。