研究課題
生体内部に親和性の高い量子ドットを導入する方法について検討した。量子ドットによる細胞標識として、R8ペプチドを結合させた量子ドットをPC12細胞に取り込ませた。R8ペプチドは塩基性アミノ酸をつなげた配列を持つペプチドであり,目的とする物質をエンドサイトーシスによる細胞内への輸送経路に乗せることが可能であることが知られている。量子ドットとR8ペプチドの混合溶液を保温した後に細胞の培養液に添加したところ,24時間後に細胞内における量子ドットによる顕著な蛍光シグナルを観察することができた。800 nmの中心波長の量子ドットを取り込んだPC12細胞の上に厚さ200 umの脳スライスを設置し,スライスによる散乱された蛍光分布を強度輸送方程式で記録し,複素振幅分布を取得した。また,散乱点像分布関数を求め,量子ドットの散乱画像劣化の回復を行なった。これらの実験データより,周辺にある計測対象の細胞に対する散乱劣化画像の回復に適用するための準備を整えた。令和4年度に作製に成功した赤外光によって2光子励起され,バイオイメージングに汎用的に使用される黄色と赤色蛍光タンパク質の蛍光と同様の波長域に発光中心を持つ量子ドットが,高輝度基準光源として有用であることを確証した。その結果,生体組織深部に移植された細胞イメージングに成功することができた。更に,代表研究者である的場と緊密に連携し,本量子ドットを用いた新規3次元蛍光イメージング技術により,揺らぎを回避した肝臓や膵臓などの生体深部高感度イメージングの可能性を見出した。その他には,液晶レンズを用いた蛍光ディジタルホログラフィック顕微鏡を構成し,エネルギー効率の高い3次元蛍光イメージング系を構築した。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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