研究課題/領域番号 |
21H04670
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分31:原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
坂田 将 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 招聘研究員 (70357101)
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研究分担者 |
玉木 秀幸 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (00421842)
眞弓 大介 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (30549861)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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キーワード | 油層微生物 / 原油分解 / メタン生成 / トルエン / アルカン / メタボローム / メタゲノム / メタトランスクリプトーム |
研究成果の概要 |
すでに国内油田の油層水から獲得しているトルエン分解メタン生成微生物コミュニティのメタボライト分析、メタゲノム解析、及びメタトランスクリプトーム解析を行った結果、優占するペプトコッカス科細菌、アトリバクテロータ門細菌、水素利用性メタン生成菌メタノサーモバクター、及び酢酸利用性メタン生成菌メタノサエタが、ベンジルコハク酸、ベンゾイルCoAを経由する反応経路でトルエンをメタンに変換していることが推定された。新たに獲得した長鎖アルカン分解メタン生成微生物コミュニティについて同様の解析を行った結果、優占する未培養古細菌メタノリパラムが単独でアルカンを分解しメタンに変換している可能性が見出された。
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自由記述の分野 |
生物地球化学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義は、国内油田に棲息する古細菌が単独でアルカンを分解しメタンに変換している可能性を発見したことである。これはメタン生成菌が水素・二酸化炭素や酢酸、メチル、メトキシ化合物などの限られた化合物しか利用できないというこれまでの常識を覆す発見である。また油層に残存する原油のメタン変換・エネルギー回収という観点では、もしこの微生物が油層環境において効率よく原油をメタンに変換できるとしたら、継続的に原油をメタンに変換し回収するための微生物のモニタリングやメンテナンスが飛躍的に容易となる。よって本研究の成果は枯渇油田の天然ガス再生技術の実用化にも大きく貢献するものと考えられる。
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