研究課題
基盤研究(A)
非古典的化学結合として長年興味が持たれてきたラジカルカチオンの形成する半結合(2中心3電子結合)について気相のモデルクラスターを対象に分光研究を行い、生体(関連)分子や水における半結合形成の可能性とその形成条件の厳密な検証を行う。理論計算と直接比較可能である気相クラスターの利点を生かし、半結合の理論計算に対してベンチマークとなる実測データを確立する。
Paulingが提唱した非古典的結合である半結合は化学結合に関する基本的な問題の一つであり、特に近年、生体系における半結合の大きな役割が提案されていることから強い関心が集まっている。このように重要でありながら実験的な知見が乏しい半結合に対して、理論計算と直接比較可能である気相クラスターを用いて詳細な実験を行い、新しい知見を得ることで、この基礎的な問題に対する理解が大きく進むことが期待できる。