研究実績の概要 |
「可視光駆動型銅触媒不斉アリル位アシル化反応」の展開として、本年度は、アシルシランのα,β-不飽和ケトンおよびアルデヒドへの不斉共役付加反応の基質適用範囲の拡大、生理活性化合物類縁体の合成への応用、理論計算による反応機構の解明について重点的に研究を実施した。光励起状態反応機構の解明に向けては、長谷川グループ、上野グループとの共同研究の打ち合わせを対面会議とオンライン会議により複数回行い、毎回の議論の結果を昨年度から引き続き実施している理論計算に反映させた。理論計算の結果、アリル化反応の場合とは異なる励起状態活性種が生成することや励起3重項状態で炭素-炭素結合が生成する点でもアリル化の場合とはっことなる反応経路を通ることが示唆された。 アルケンの可視光駆動クロロアミノ化反応、アルキルボレート、光触媒によるα,β-不飽和カルボニル化合物、ビニルホスホニウム塩3成分カップリング反応、光触媒によるトリアルキルホスフィンのP-1,2-転移[3+2]付加環化反応、光触媒によるビニルホスホニウム塩へのアルデヒドのC-H付加反応、光駆動白金触媒による1,2-ジケトンの極性転換アリル化反応などの光触媒関連反応や、異種二核錯体触媒によるアルキニルカルボン酸の7員環形成分子内ヒドロカルボキシル化反応ラクトン化反応やニッケル触媒によるフッ化アリールのホスフィニル化反応に関する研究でも成果をあげ論文発表を行った。
|