研究課題/領域番号 |
21H04719
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
鐘巻 将人 国立遺伝学研究所, 遺伝メカニズム研究系, 教授 (20444507)
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研究分担者 |
林 謙一郎 岡山理科大学, 生命科学部, 教授 (30289136)
久保 郁 国立遺伝学研究所, 遺伝形質研究系, 准教授 (40786373)
西野 達哉 東京理科大学, 先進工学部生命システム工学科, 教授 (50533155)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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キーワード | デグロン / タンパク質分解 / ユビキチン / プロテインノックダウン |
研究実績の概要 |
昨年に引き続き、AID2による分解制御の拡張を狙い、PROTAC系のデグロンdTAGおよびBromoTagとの比較検討を行い、AID2とBromoTagを組み合わせることにより、二つのタンパク質を分解制御できることやより強力な分解誘導が可能であることを示した。実際に、AID2による分解だけでは、強い表現型変化を引き起こせない、複製因子ORC1やCDC6にダブルデグロン法を応用し、致死表現型を得ることができた。さらに、ORC1とCDC6両方をダブルデグロンで分解すると、細胞はS期を経ることなく、G2/M期に入ることがわかった。このことは、DNA複製を完全に抑制することにより、細胞周期制御からDNA複製を脱制御できることを示している。これらの技術的改良および細胞生物学的発見を、論文としてまとめ、現在リバイス論文を作成中である。AID2によるマウス作成に関しては、受精卵のROSA26座にCAG-(loxP-STOP-loxP)-OsTIR1(F74G)を挿入することを試みたが、複数回の試みにもかかわらず、ノックインマウスラインが取れなかった。そこで、ES細胞に同様のコンストラクトを導入することにした。レポーターとしてmAID-GFPをROSA26に導入したマウスは樹立できた。今後、マウスにおけるAID2システムをテストできるマウスラインの確立を目指す。脳内分解効率化を目指し、複数の新規リガンドを試したが、今の所5-Ph-IAAを超える活性を持つ化合物は取得できていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
AID2の機能拡張は論文投稿まで進むことができた。マウスの研究に関してはmAID-GFPレポータを発現するマウスラインを樹立することができた。
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今後の研究の推進方策 |
AID2の機能拡張論文の出版に力を注ぐ。すでにリバイス版作成まで来ているので、必要な実験データを追加し投稿する。マウスに関してはROSA26座にOsTIR1(F74G)を導入したマウスの樹立を進める。脳内分解用のリガンドに関しては、新規化合物のスクリーニングを継続する。
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