研究課題
本研究では、人工知能(AI)を活用した標的志向型スクリーニング(課題1)と表現型スクリーニング(課題2)、ヒット化合物の標的同定とin vivoでの有効性評価(課題3)、により、構造や作用が新しい抗真菌剤を見出すことを目的とした。課題1では抗真菌活性を有する化合物をAIで予測する構造活性相関モデルを構築するため、化合物の構造情報を記述する独自の記述子発生プログラムを開発し、化合物構造と抗真菌活性の関連性をAIで予測する構造活性相関モデルの構築に向けて知見を得た。課題2では麹菌Aspergillus oryzaeや病原性真菌Candida albicansの画像を収集して、AIに学習させ、これらの真菌の形態変化を判別するモデルを構築した。麹菌では300万枚、カンジダでは6万枚の画像を用いることで、判定確度85%以上を達成した。このシステムを使って理研天然化合物ライブラリーNPDepoのスクリーニングを実施し、既存の抗真菌剤とは異なる形態変化を示した化合物Xを選定した。課題3では化合物Xの作用機序をハプロイド変異体ライブラリーDBCで予測した。その結果、低分子量Gタンパク質Rhoが標的分子候補に挙がった。Rhoと化合物Xとの直接的な相互作用やタンパク質機能に対する影響を検討し、この予測が妥当であることを示した。さらに化合物Xは、カイコを使ったin vivo感染実験モデル系でも一定の効果が認められた。AIを活用した抗真菌剤スクリーニングにより、Rhoを標的とするFirst-in-classの化合物Xを効率よく見出すことができた。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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