研究実績の概要 |
シコクビエ菌のコムギに対する非病原性には、5つの遺伝子(eA1, eA2, eA3, eA4, eA5)が関与することが示唆されている。前年度までに次のようなことを明らかにした。 (1)eA3はPWT3(エンバク菌のコムギに対する非病原力遺伝子)であった。これに対する抵抗性遺伝子Rwt3は1D染色体に座乗していた。(2)eA5をクローニングし、PWT6と命名した。これに対する抵抗性遺伝子を同定しRwt6と命名した。Rwt6は1D染色体に座乗し、Rwt3と密接に連鎖していた。(3)eA1 をクローニングし、PWT7と命名した。これに対する抵抗性遺伝子も同定し、Rwt7と命名した。さらにRwt7のクローニングに成功した。(4)eA4をクローニングし、PWT8と命名した。これに対する抵抗性遺伝子を同定し、Rwt8と命名した。Rwt8も1D染色体に座乗し、Rwt6と密接に連鎖していた。 本年度は、Rwt3, Rwt6, Rwt8のクローニングを試みた。形質転換による相補性試験の結果、これら3遺伝子が同一のものであること、その実体は、2つの遺伝子ペアであることが判明した。すなわち、この遺伝子ペアは、3つの異なる非病原力遺伝子を認識する能力を持つことが明らかとなった。
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