研究課題/領域番号 |
21H04728
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
辻 寛之 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 准教授 (40437512)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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キーワード | フロリゲン / 茎頂メリステム / イネ / フロリゲン活性化複合体 |
研究実績の概要 |
フロリゲン(FTタンパク質)は、葉で合成され茎の先端(茎頂メリステム:花芽形成される部位)に輸送され、標的細胞において転写因子を含む複合体を形成し核移行することで、クロマチン構成を介した転写活性化能を発揮する。フロリゲンの活性発現を適切に制御できると作物の開花時期や結実数を最適化できるため、その詳細な作用機序の解明が望まれている。これを踏まえ、本研究の目的は、1)茎頂メリステムで適切な数の花芽を作るために局所濃度分布を形成する機構、及び2)核内クロマチン環境を介して多数の遺伝子発現を制御する機構を解明することである。 本年度はイネ茎頂メリステムの一細胞解像度3Dイメージングにより、植物ホルモンのオーキシンとサイトカイニンの情報伝達系が成長相転換の過程でどのように空間的分布を変化させるのかを明らかにした。さらに多重レポーター系統を確立して、オーキシンとサイトカイニンの分布を同時に観察し、両者の空間的な位置関係を解明した。次いで、RNA-seqによりこれらの植物ホルモンの効果を検討した。これにより当初想定していなかった重要な下流標的遺伝子を見出したので、このゲノム編集による機能解析とレポーター系統の作出を行った。 また、茎頂メリステムのエピゲノム解析についても条件検討を行った。茎頂メリステムの大量サンプリングを行うことが必要であるが、サンプリング技術の精緻化によってこれを達成し、必要量の解析を行える大量サンプリングの準備が整った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、今年度はイネ茎頂メリステムの一細胞解像度3Dイメージングにより、植物ホルモンのオーキシンとサイトカイニンの情報伝達系が成長相転換の過程でどのように空間的分布を変化させるのかを明らかにした。さらに多重レポーター系統を確立して、オーキシンとサイトカイニンの分布を同時に観察し、両者の空間的な位置関係を解明した。さらに、茎頂メリステムのRNA-seqによりこれらの植物ホルモンの効果を検討した。これにより当初想定していなかった重要な下流標的遺伝子を見出したので、このゲノム編集による機能解析とレポーター系統の作出を行った。
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今後の研究の推進方策 |
本年度新たに見出した茎頂メリステムにおける植物ホルモン情報伝達の新規標的遺伝子の機能解析をすすめる。また、本年度完成した多重レポーター系統の観察も行う。 茎頂メリステムのエピゲノム解析についても、サンプリング方法の改良が完成し、大量サンプリングが可能になったのでこれを行い、ライブラリ調整とシーケンシングを実施する。
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