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2021 年度 実績報告書

南東ブラジル湾における魚種交替メカニズム: 西岸境界流域と湧昇流域の比較

研究課題

研究課題/領域番号 21H04737
研究機関東京大学

研究代表者

高須賀 明典  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (00392902)

研究分担者 渡井 幹雄  国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(横浜), 研究員 (50829166)
黒田 寛  国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(釧路), グループ長 (30531107)
奥西 武  国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(塩釜), グループ長 (60374576)
研究期間 (年度) 2021-04-05 – 2026-03-31
キーワード魚種交替 / 気候変動 / 南東ブラジル湾 / 資源生態 / 産卵生態 / 初期生態 / 海洋環境 / 数理モデル
研究実績の概要

本研究では、地球規模で起こる魚種交替の生物学的メカニズムの解明を目指し、これまで環太平洋海域で実施してきた研究の成果を総合して導いた海洋環境に対する生物特性の魚種間差に着目した魚種交替仮説を完全に統一した手法によって南東ブラジル湾で検証する。南東ブラジル湾のカタクチイワシとマイワシについて、資源生態、産卵生態、初期生態に加え、これらの生態特性と海洋環境の関係を明らかにする。その上で、輸送・回遊モデルを用いて、黒潮海流域、フンボルト海流域、南東ブラジル湾のカタクチイワシとマイワシが産卵場からの輸送・回遊過程で経験する海洋環境を調べ、仮説検証結果を魚種間・海流域間で総合的に比較する。以上より、西岸境界流域 (黒潮海流域・南東ブラジル湾) と湧昇流域 (カリフォルニア海流域・フンボルト海流域) の魚種交替の生物学的メカニズムを比較統合する。2021年度は以下の内容を実施した。
I. 資源生態 (1) 黒潮海流域の産卵調査データを更新し、産卵量を算出した。南東ブラジル湾の漁業情報と産卵調査データを整理し、資源量指標値を検討した。
II. 産卵生態 (1) 産卵調査データから産卵と環境要因の関係を解析する手法の検討を行った。
III. 初期生態 (1) 南東ブラジル湾の仔魚の成長速度と死亡率に関する既存情報を整理した。(2) 黒潮海流域の仔魚の耳石データを用いて成長速度の自己相関を解析し、小型浮魚類は他の分類群と比較しても成長速度の自己相関が高いこととを示すと共に、魚種間の差を明らかにした。
IV. 海洋環境 (1) 黒潮海流域の産卵調査データに対して海洋環境情報を結合した。(2) 南東ブラジル湾の気候変動指標値の探索を行った。
V. 数理モデル (1) 輸送・回遊モデルに必要な物理場の準備を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究では、サンパウロ大学海洋研究所との共同および異なる専門分野間 (トピック間) での連携が研究進捗を大きく左右する。進捗状況によって、適切なタイミングで、担当者・協力者が日本あるいはサンパウロで一堂に会して共同解析作業と議論を行う実践的なワークショップを実施することが重要である。新型コロナウイルス感染症の情勢により、サンパウロ大学海洋研究所の共同研究者を訪問あるいは招聘しての共同研究ワークショップを延期せざるを得なかった。このため、ワークショップによって実施する予定であったデータ解析等が遅れた。

今後の研究の推進方策

本研究では、サンパウロ大学海洋研究所との共同および異なる専門分野間 (トピック間) での連携が研究進捗を大きく左右する。進捗状況によって、適切なタイミングで、担当者・協力者が日本あるいはサンパウロで一堂に会して共同解析作業と議論を行う実践的なワークショップを実施することが重要である。よって、サンパウロ大学海洋研究所の共同研究者を訪問あるいは招聘しての共同研究ワークショップを実施する。適宜、オンラインでのワークショップによって効率化する。また、サンパウロ大学海洋研究所による調査標本の入手状況から、初期生態トピックの実施は困難である可能性が高くなった。このため、課題内におけるトピックの取捨選択を行うと同時に、特定のトピックへの重点化を図る。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2021 その他

すべて 国際共同研究 (3件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] サンパウロ大学海洋研究所(ブラジル)

    • 国名
      ブラジル
    • 外国機関名
      サンパウロ大学海洋研究所
  • [国際共同研究] ペルー海洋研究所(ペルー)

    • 国名
      ペルー
    • 外国機関名
      ペルー海洋研究所
  • [国際共同研究] ケベック大学リムスキ海洋研究所(カナダ)

    • 国名
      カナダ
    • 外国機関名
      ケベック大学リムスキ海洋研究所
  • [学会発表] 黒潮流域におけるボラ・サギフエ仔稚魚の分布2021

    • 著者名/発表者名
      臼井茂尭・馬世傑・渡井幹雄・木下順二・入路光雄・安田十也・高須賀明典
    • 学会等名
      2021年度水産海洋学会研究発表大会 (長崎市, 2021年11月)
  • [学会発表] イワシ類3種の仔魚の成長速度自己相関: 初期の成長はその後の成長に影響するか?2021

    • 著者名/発表者名
      田中翔大・遠越零那・安江尚孝・Corinne Burns・Dominique Robert・高須賀明典
    • 学会等名
      2021年度水産海洋学会研究発表大会 (長崎市, 2021年11月)
  • [学会発表] マイワシ・カタクチイワシの初期成長がその後の成長に及ぼす影響2021

    • 著者名/発表者名
      田中翔大・遠越零那・安江尚孝・Corinne Burns・Dominique Robert・高須賀明典
    • 学会等名
      令和4年度日本水産学会春季大会 (オンライン, 2022年3月)
  • [学会発表] 冬の黒潮海流域におけるアラハダカ・マガリハダカ稚魚の成長速度の地理的変異2021

    • 著者名/発表者名
      東口胤成・渡井幹雄・木下順二・佐々千由紀・黒田寛・奥西武・安田十也・高須賀明典
    • 学会等名
      令和4年度日本水産学会春季大会 (オンライン, 2022年3月)
  • [備考] Research Introduction (研究紹介)

    • URL

      http://katsuo.fs.a.u-tokyo.ac.jp/takasuka/

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公開日: 2023-12-25  

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