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2021 年度 実績報告書

受精遅延が促進する開花時期多様化と種分化メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 21H04781
研究機関九州大学

研究代表者

佐竹 暁子  九州大学, 理学研究院, 教授 (70506237)

研究分担者 金岡 雅浩  名古屋大学, 理学研究科, 講師 (10467277)
三輪 京子  北海道大学, 地球環境科学研究院, 准教授 (50570587)
研究期間 (年度) 2021-04-05 – 2025-03-31
キーワード植物フェノロジー / 受精遅延 / ブナ科 / 環境応答 / 遺伝子発現 / ゲノム / 花粉管
研究実績の概要

本研究では、開花時期と受精遅延の協調的進化を駆動する分子メカニズムを、フィールド・ゲノム・数理科学を融合した学際的アプローチによって解明することで、遅延を伴う生殖戦略の進化と種多様性創出プロセスの理解に貢献する。
開花時期と受精遅延形質の異なる近縁種間で、発現が異なる遺伝子は何か?に答えるために、マテバシイ属マテバシイとシリブカガシを対象に同一環境に生息し、開花時期と受精遅延期間が異なるブナ科樹木近縁種ペアを対象に、野外トランスクリプトーム解析を実施し、ペア間で異なる発現プロファイルを示す遺伝子を抽出した。同様に、コナラ属コナラ亜属については、福岡市に生息するクヌギとコナラとを、アカガシ亜属についてはアカガシとアラカシを対象とし、サンプル採取を行った。サンプルは各種3個体から葉、芽、花(採取可能な場合のみ)を毎回3反復、1ヶ月に1度採取し、RNA抽出後にサンプルあたり20Mリード以上のRNA sequenceを実施した。またマテバシイとアラカシの新規ゲノムを決定した。本ゲノム情報を用いて、マッピング、リードカウントを行い、遺伝子発現を定量した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

・国内のフィールド調査、遺伝子発現解析、ゲノム解読は順調に進んでいる。
・国外でのフィールド調査については実施が遅れたものの、サンプル採取に着手することができた。

今後の研究の推進方策

次年度にはオルソログ遺伝子を近縁種ペア間で特定し、遺伝子発現時系列データを分析することで、顕著に異なる発現プロファイル示す遺伝子群を候補遺伝子として抽出し機能解析候補を絞り込む。また、マテバシイの花粉管のイメージングを行い、本季節変化とともに花粉管の伸長プロセスを追跡し、受精が長く遅延する際に生じる花粉管と雌性配偶体の相互作用を分析する。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] A cross-scale approach to unravel the molecular basis of plant phenology in temperate and tropical climates2022

    • 著者名/発表者名
      Akiko Satake, Ai Nagahama, Eriko Sasaki
    • 雑誌名

      New Phytologist

      巻: 233 ページ: 2340-2353

    • DOI

      10.1111/nph.17897

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Delayed fertilization facilitates flowering time diversity in Fagaceae2021

    • 著者名/発表者名
      Akiko Satake, Dave Kelly
    • 雑誌名

      The Royal Society, Philosophical Transactions of the royal society B

      巻: 376 ページ: 20210116

    • DOI

      10.1098/rstb.2021.0115

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Studying the genetic basis of masting2021

    • 著者名/発表者名
      Akiko Satake, Dave Kelly
    • 雑誌名

      The Royal Society, Philosophical Transactions of the royal society B

      巻: 376 ページ: 20210115

    • DOI

      10.1098/rstb.2021.0116

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] ブナ科コナラ属における繁殖形質多様化の進化2022

    • 著者名/発表者名
      夫婦石千尋、今井亮介、矢原徹一、佐竹暁子
    • 学会等名
      第69回日本生態学会大会
  • [学会発表] 温暖化に伴う開花フェノロジーシフト:開花遺伝子発現パターンの温帯・亜熱帯間比較2022

    • 著者名/発表者名
      幸元秀行、秦有輝、経塚淳子、梶田結衣、遠山弘法、永濱藍、佐竹暁子
    • 学会等名
      第69回日本生態学会大会
  • [学会発表] どんぐりの不思議な戦略2022

    • 著者名/発表者名
      佐竹暁子
    • 学会等名
      第69回日本生態学会年大会
  • [学会発表] アジア広域に分布するブナ科植物における開花結実フェノロジーの緯度クライン 【B】2022

    • 著者名/発表者名
      新井健太、矢原徹一、佐竹暁子
    • 学会等名
      第63回日本植物生理学会年大会
  • [学会発表] ブナ科コナラ属における繁殖形質多様化の進化2021

    • 著者名/発表者名
      夫婦石千尋、今井亮介、矢原徹一、佐竹暁子
    • 学会等名
      第53回種生物学シンポジウム

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公開日: 2023-12-25  

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