研究課題
基盤研究(A)
前障は大脳皮質のほとんどの領域と双方向の神経結合を持つ機能未知の脳領域である。この領域は大脳全体の活動を監視・調節しうることから、意識を司る座であるという仮説が提唱されている。しかしながらこの仮説に対する実験的検証はない。本研究は独自に開発した前障特異的な神経操作を可能とするマウスを用いて大脳における情報処理調節を調べることにより、前障の意識への関与を検証するものである。
前障の生理機能を明らかにすることは大脳の多様な機能を統合的に理解する上で非常に重要であり、現在もっとも解析が望まれている脳領域の一つである。また、本研究はいまだアプローチが定まらない意識の神経基盤へ向けての大きな礎になるともに、認知症や精神疾患などの病態理解と治療法の開発につながることが期待される。