研究課題
基盤研究(A)
ショウジョウバエを用いて性指向性を制御する神経回路と分子基盤を解明する。応募者は、同性愛行動を引き起こす変異体と原因遺伝子(fru)を同定し、fruを発現する雄特異的なP1ニューロン群の重要性を発見している。本研究では、羽化後に雄同士の集団生活により同性愛行動が顕在化することに注目してP1回路機能の経験依存的な変化を調べ、遺伝と環境の相互作用を明らかにする。
応募者の長年にわたる独創性の高い研究をさらに発展させる計画である。P1回路の入出力経路の同定、神経活動の計測、トランスクリプトーム解析などを多角的に組み合わせることにより、P1回路機能を分子レベルで明らかにすることができると期待される。遺伝と環境の相互作用によって行動が形成されるメカニズムの解明という大きな生物学的問いに答える重要な研究である。