自閉症・統合失調症のモデルとしてヒト染色体1q21.1CNVのヒトES細胞モデルの構築に成功した。本モデルでは、形態、生理的な表現系において、ヒト臨床に近い表現系が見られただけでなく、病態メカニズムの基盤を明らかにすることができた。オルガノイドの更なる長期培養により、より生理的条件に近い3次元モデルとしてデータが期待できる。CNVは病気を起こす遺伝的浸透度が高く、病態理解のためのモデルとして適しており、今後の更なる発展が期待される。本成果は、自閉症を含む精神疾患の病態パスウェイやハブ遺伝子などの創薬シーズに繋がるだけでなく、CNVの発現制御機構の解明というゲノム異常の基盤的理解をもたらす。
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