研究課題/領域番号 |
21H04814
|
研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
岡本 仁 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, チームリーダー (40183769)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2025-03-31
|
キーワード | ゼブラフィッシュ / 手綱核 / 脚間核 / 社会的闘争 / 意思決定 / 行動制御 |
研究実績の概要 |
本年度研究の交付申請時には以下の項目の研究を計画していた。(1)脚間核の背側と腹側の相互抑制の研究を開始する。(2)手綱核・脚間核神経回路におけるAPPの役割の研究の開始。(3)手綱核・脚間核経路が制御する下流領域のtranscriptome解析。2021年度に研究に参加する予定であった研究員と大学院生候補が規制のため入国できず、上記の当初の研究計画を変更せざるを得なくなった。その結果、以下の研究を行なった。(1)脚間核への出入力系の全貌を明らかにするために、順行性または逆行性に複数のシナプスを超えて移送される改変Vesicular Stomatitis Virusを作成し、これらを脚間核またはその第一次出出力核である背側被蓋野に特異的に注入した。その結果脚間核が、加速度や水流の感知にかかわる前側線神経核や前庭神経核、視覚と加速度情報との統合に関わる半円堤などと、相互的に結合している可能性が明らかになった。(2)更に、社会的闘争を行っている魚で、上記の研究で明らかになった、脚間核への出入力部の神経活動の計測を行うために、2匹の魚それぞれを閉ループ仮想現実空間中に置き、相手の魚の象をスクリーンに投影することによって、二匹の魚を仮想現実空間で闘争できる、新しい実験系を開発し、改良中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度に研究に参加する予定であった研究員と大学院生候補が規制のため入国できず、上記の当初の研究計画を変更せざるを得なくなった。その結果、上述の様に計画を変更したが、変更後に行った研究は、新しい驚きの発見や、新しい実験系の確立など、大変良い成果を得られた。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度には、2021年度に参加する予定であった研究員が、海外から参加する。2021年度に変更した研究によって得られた成果を加えて、本来の研究計画を合わせて遂行する体制が整う。
|