研究課題
基盤研究(A)
本研究では家族性肺線維症をテーマとしている。応募者らは、家族性肺線維症の原因遺伝子としてSFTPA1変異を見いだしており、すでに動物モデルを用いることで、本変異が家族性肺線維症を引き起こすのに十分であることを報告している。本研究では、同モデル動物をもちいてシグナルセルトランスクリプトーム解析を行い、肺線維症の原因分子を同定することが最終目標であり、将来の治療薬の開発を念頭としている。
組織の線維化を来す炎症性疾患は不可逆性の病変をもたらしうることから、その早期診断法および治療薬の開発が求められている。本研究で使用予定の肺線維症モデルマウスについては、自らが同定した家族性肺線維症の原因遺伝子ノックインマウスとして独自に樹立している優位性を有する。さらにscRNAseq解析を疾患モデルと実患者サンプルの両者で検証可能であり、本研究成果を通じた疾患機序解明と治療法開発が期待される。