超高齢社会を迎えた本邦では、今後、心不全患者のさらなる増加が予想されており、その対策が重要な課題となっている。本研究により、心筋ミトコンドリアの量・質が心臓組織の応答・修復機構と密接に連関しており、その変容が心不全発症に繋がること、心筋ミトコンドリアの量の制御に対する介入が、心不全の治療戦略として有用であることが示唆された。本研究成果は、十分に解明されていなかった心臓組織の応答・修復機構とその変容による心疾患発症の分子機構の解明といった学術的意義のみならず、心不全の克服による持続的な健康長寿社会の実現の観点から、その成果は新規心不全治療法の開発に向けた基盤研究として重要な意義を持つものである。
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