研究課題/領域番号 |
21H04826
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分54:生体情報内科学およびその関連分野
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
酒井 寿郎 東北大学, 医学系研究科, 教授 (80323020)
|
研究分担者 |
川村 猛 東京大学, アイソトープ総合センター, 准教授 (70306835)
米代 武司 東京大学, 先端科学技術研究センター, 准教授 (40724167)
松村 欣宏 東京大学, 先端科学技術研究センター, 准教授 (20375257)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2024-03-31
|
キーワード | 肥満 / 生活習慣病 / 脂肪細胞 / エピゲノム / 翻訳後修飾 / 適応熱産生 |
研究成果の概要 |
加齢性疾患対策の観点から母親の栄養状態が子の健康リスクを決定するDOHaD仮説が注目されている。本研究では、環境感知ヒストン脱メチル化酵素JMJD1Aの生理的意義と世代を超えた代謝調節との関連を調べた。酵素活性欠失マウスでは熱産生遺伝子の発現低下、耐糖能異常、脂肪組織の血管密度低下、交感神経支配不全が見られた。前駆脂肪細胞、神経、または血管内皮細胞特異的な欠損マウスは体重増加、熱産生の低下、糖代謝異常を呈した。JMJD1Aは糖依存的脂肪細胞分化に関与した。これらと類似して、JMJD1Aの活性化因子である寒冷刺激を親マウスに与えると仔マウスで熱産生脂肪細胞が誘導され、肥満と耐糖能異常を防いだ。
|
自由記述の分野 |
内分泌・代謝学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肥満に起因した生活習慣病の発症進展には、環境刺激に応じたエピゲノム変化と生体適応が影響する。脂肪組織は個体がおかれた環境に応じて動的に量と質を変化させる。例えば、余剰な栄養環境下では白色脂肪組織が肥大化する一方、寒冷刺激下では逆に熱を産生する脂肪細胞が出現し体脂肪が減少する。このような生体適応が障害されると、生活習慣病の原因となる。さらに、環境状態が健康に及ぼす影響は、世代を超えて親から子へ伝搬することが分かってきている。本研究では脂肪細胞の質を制御する環境感知するエピゲノム酵素が細胞運命とエネルギー代謝を決定するメカニズムを解明し、新規治療標的の可能性を提示した。
|