研究課題/領域番号 |
21H04835
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
冨永 悌二 東北大学, 大学病院, 教授 (00217548)
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研究分担者 |
藤村 幹 北海道大学, 医学研究院, 教授 (00361098)
Rashad Sherif 東北大学, 医学系研究科, 助教 (00824088)
新妻 邦泰 東北大学, 医工学研究科, 教授 (10643330)
森戸 大介 昭和大学, 医学部, 講師 (20514251)
下田 由輝 東北大学, 大学病院, 助教 (30815444)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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キーワード | もやもや病 / RNF213 / 血流 / 内皮細胞 / 数値流体力学 |
研究実績の概要 |
もやもや病は両側内頚動脈終末部が進行性に狭窄・閉塞し、付近に異常血管網の発達を認める原因不明の疾患であり、病態解明と新規治療開発が求められている。もやもや病の感受性遺伝子であるRNF213遺伝子が同定されたが、その変異単独でもやもや病は発症せず、それに加えて何らかの二次的因子が加わり発症するtwo hit theoryが提唱されている。 本研究の目的は、今までに明らかではなかった血流と血管内皮細胞の相互作用という切り口から、もやもや病の病因・病態を解明することである。 本年度は①~⑤の5つの要素に分けて研究を行った。 ①数値流体力学的解析(CFD解析):解析を行ったが、もやもや病患者の血管形態に個人差が大きく、症例により興味深い知見が得られる一方で、まとまった形の知見は得られていない状況である。 ②流体培養を用いた解析:「流れ」の違いに応じて血管内皮細胞においてRNF213遺伝子発現が変化することが、もやもや病の病態に関連すると考え、分子学的な検証を実施中である。 ③免疫学的解析:RNF213遺伝子変異をノックダウンすることにより、血管におけるトランスクリプトームやスプライソソームの変化が生じ、炎症/免疫応答の変化を介してもやもや病の血管病態が生じる可能性が示唆され、学術論文として報告した。 ④ 臨床応用につながるバイオマーカー探索:RNF213遺伝子変異マウスを用いて、バイオマーカー候補を探索中であるが、デスモシン類が候補となる可能性が示唆された。臨床例では、RNF213遺伝子変異がもやもや病患者において肺動脈狭窄を合併する危険因子であることを、学術誌に発表した ⑤RNF213に関する解析:RNF213変異体の新たな遺伝子変異マウスが樹立されたため、その繁殖を行い、今後の研究に活用できる体制を構築中である。 上記のようにそれぞれの要素につき、研究の進捗を認めている状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各要素研究から順調に成果が出ている状態であり、問題はないと考える。
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今後の研究の推進方策 |
現在順調に進捗しているため、予定通りに研究を遂行し、最終目標への到達を目指す。
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