研究課題
もやもや病は両側内頚動脈終末部が進行性に狭窄・閉塞し、付近に異常血管網の発達を認める原因不明の疾患であり、病態解明と新規治療開発が求められている。もやもや病の感受性遺伝子であるRNF213遺伝子が同定されたが、その変異単独でもやもや病は発症せず、それに加えて何らかの二次的因子が加わり発症するtwo hit theoryが提唱されている。本研究の目的は、今までに明らかではなかった血流と血管内皮細胞の相互作用という切り口から、もやもや病の病因・病態を解明することである。 本年度は①~⑤の5つの要素に分けて研究を行った。①数値流体力学的解析(CFD解析):個人差が大きいため汎化した治験を得ることは難しかった。 ②流体培養を用いた解析:「流れ」の違いに応じて血管内皮細胞においてRNF213遺伝子発現が変化することが、もやもや病の病態に関連すると考え、分子学的な検証を実施中である。 ③免疫学的解析:RNF213遺伝子変異をノックダウンすることにより、血管におけるトランスクリプトームやスプライソソームの変化が生じることが判明し詳細を検証した。 ④臨床応用につながるバイオマーカー探索:デスモシン類がもやもや病の進行に関連するバイオマーカーとなることを見出し、学術誌に報告した。 ⑤RNF213に関する解析:RNF213変異体の新たな遺伝子変異マウスが樹立されたため、その繁殖を行ったが、研究に活用できるほどの数の確保までは至らなかった。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Bioorg Med Chem
巻: 100 ページ: 117602
10.1016/j.bmc.2024.117602.