研究課題/領域番号 |
21H04844
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
千葉 満 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (20583735)
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研究分担者 |
門前 暁 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (20514136)
米山 美穂子 弘前大学, 医学研究科, 客員研究員 (50791696)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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キーワード | 放射線感受性 / 放射線耐性 / マイクロアレイ / HL-60 / miRNA / mRNA / ラジオロミクス解析 / 遺伝子発現 |
研究実績の概要 |
2021年度は研究計画の通り、放射線感受性の異なる培養細胞株を樹立し、放射線感受性に関わる新規遺伝子の探索を行った。得られた成果を以下に示す。 ①放射線感受性の異なる培養細胞株を樹立するために、ヒト前骨髄球性白血病細胞株(HL-60)に4 GyのX線(1.0 Gy/min, 150 kV, 20 mA, 0.5 mmアルミニウム+0.3 mm銅フィルター)を4週にわたり照射し、増殖してきた生存細胞を放射線耐性株(Res-HL-60)とした。樹立したRes-HL-60と非照射HL-60細胞株(Wt-HL-60)における放射線照射後のクローン形成アッセイを行ったところ、Res-HL-60の生存細胞数はWt-HL-60に比べて有意に高値を示した。X線照射による二本鎖DNA損傷とDNA断片化を調べたところ、Res-HL-60はWt-HL-60に比べてそれぞれ低値を示した。また放射線照射による細胞死アッセイにより、Res-HL-60はWt-HL-60に比べて有意な活性型caspase-3の低下が確認され、Res-HL60細胞が放射線誘発アポトーシスに対する抵抗性を獲得していることが強く示唆された。これらの解析から本研究で樹立したRes-HL-60が放射線耐性能を獲得していることが確認された。 ②Wt-HL-60とRes-HL-60においてどのような遺伝子発現変化が生じているか調べるために、mRNAとmiRNAのマイクロアレイ解析を行い、遺伝子発現の違いが確認された。現在、これらのマイクロアレイデータを用いて放射線感受性関連遺伝子候補の絞り込みを行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
○放射線耐性細胞株の作製(達成度100%) HL-60細胞に4 GyのX線(1.0 Gy/min)を4週にわたり照射し、増殖してきたHL-60細胞の放射線感受性の低下が確認された。このHL-60細胞を放射線耐性株(Res-HL60)とした。 ○放射線耐性細胞株における遺伝子発現変化スクリーニング(達成度100%) Wt-HL-60とRes-HL-60においてどのような遺伝子発現変化が生じているかmRNAとmiRNAのマイクロアレイ解析を行った。今後プロテオーム解析なども行い、それぞれのオミックスデータを統合して放射線感受性に最も影響のある分子の特定と機能解析を行っていく。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は2021年度の課題を引き続き遂行するとともに、以下の課題を検討する。 ①放射線耐性HL-60におけるプロテオーム解析と統合パスウェイ解析により、放射線感受性関連遺伝子候補を絞り込む。 ②放射線感受性の異なるマウスを用いて、様々な生体試料の遺伝子発現を調べて放射線感受性関連遺伝子候補を絞り込む。 ③放射線感受性関連遺伝子候補のノックアウト細胞株を樹立し、放射線感受性を調べる。 ④放射線高感受性細胞と耐性細胞株から分泌される細胞外小胞の分析を行う。
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