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2023 年度 実績報告書

リアルタイム生活情報のAI解析による革新的高齢者ケア改善システムの確立

研究課題

研究課題/領域番号 21H04846
研究機関千葉大学

研究代表者

正木 治恵  千葉大学, 大学院看護学研究院, 教授 (90190339)

研究分担者 川上 英良  千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (30725338)
河井 伸子  大手前大学, 国際看護学部, 教授 (50342233)
田所 良之  東京医科大学, 医学部, 准教授 (50372355)
磯野 真穂  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (50549376)
川久保 俊  法政大学, デザイン工学部, 教授 (50599389)
佐々木 ちひろ  千葉大学, 大学院看護学研究院, 助教 (50845071)
大塚 眞理子  長野県看護大学, 未登録, 学長 (90168998)
研究期間 (年度) 2021-04-05 – 2025-03-31
キーワード高齢者ケア / センサ機器 / リアルタイム生活情報 / ケア改善システム / 人工知能
研究実績の概要

本年度は、本研究計画の4つの研究のうち、昨年度研究協力施設①(A施設)で開始した研究1(センサフージョン)ならびに研究3(ナビゲーションシステム)を継続し、研究2(暗黙知モデリング)について着手した。研究1ならびに研究3では、A施設に設置したセンサ機器ならびに介護ロボットを使用した結果、介護スタッフにどのような効果や影響があったかスタッフ全員へのインタビューにより明らかにし、センサ類を活用したケア改善に関する知見を学会発表した。また、排泄ケアに役立つセンサ機器を新たに設置し、その活用について業者と共に検討した。研究2では、研究対象高齢者のケア情報を仮名加工情報として取り扱い、センサデータとケアスタッフの看護・介護記録との照合から、暗黙知モデリングを導く方策について検討した。また、米国のNurseTECH labプロジェクト開発者を招聘し、ケア情報をAI解析する際の留意点等について意見交換した。
昨年度より継続してもう一つの研究協力施設②(B施設)に研究開始のための検討を重ねたが、本研究計画で求めるケアスタッフへのインタビュー等に係る負担や、看護・介護記録提供における個人情報保護の方策に妥協点が見い出せず、本研究への協力は不可となった。また、A施設に設置したセンサ類の維持費が予算想定を超えたため、B施設に本研究費を使用してセンサ機器類を設置することは不可能であることも判明した。
そのため、急遽計画の一部を変更し、既に施設内にセンサ類を設置している施設を新たに探索し、ケアスタッフへのインタビューを中心とした計画で研究協力を打診した。施設の選定にあたっては地域性を考慮し、A施設とは異なる関西圏の施設を選定し、計画変更に伴う倫理審査申請を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初計画に従い、複数施設でのデータ収集のための2つ目の協力施設を模索したが、施設側の協力条件ならびに本研究の予算面から、当初計画の変更が必要であることが判明した。変更した研究計画であらためて倫理審査申請を進めると共に、分担研究者の在住地域である関西圏での協力施設を探索した。その結果、1施設より検討の可能性を示唆されたが、本年度内には施設側の都合がつかず、年度を超えて研究協力の打診をすることになった。本研究が扱うセンサ類のデータと看護・介護記録は入居者の個人情報を含むため、その保護を含めたデータ送受信について施設側の了解を得るプロセスに時間を要した。多くの高齢者ケア施設で介護人員不足が顕著であり、そのような状況において研究への協力を受け入れてもらうには困難が大きい。

今後の研究の推進方策

本研究は、現場のニーズに沿った開発とするため、高齢者やケアスタッフなどその“場”を共にする人々と研究者とが協働して計画、運営、評価しながら進めていくことを前提としている。
新規に依頼する研究協力施設については、施設側の要望を取り入れながら実施計画を適宜調整すると共に、これまでの研究成果をまとめることで、研究遂行の推進力を得る。
また、研究成果としての暗黙知モデリングの精度をあげるため、センサデータとケアスタッフの看護・介護記録データの蓄積を図る。
最終年度となる次年度に向け、研究成果を現場に還元しながら、生じた課題について現場の人々と共に検討し、本研究で設置したセンサ類や介護ロボットを研究協力施設が自立して活用していくための道筋を明らかにする。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [雑誌論文] Integrated Long-Term Care ‘Neighbourhoods’ to Support Older Populations: Evolving Strategies in Japan and England2023

    • 著者名/発表者名
      Szczepura Ala、Masaki Harue、Wild Deidre、Nomura Toshio、Collinson Mark、Kneafsey Rosie
    • 雑誌名

      International Journal of Environmental Research and Public Health

      巻: 20 ページ: 6352~6352

    • DOI

      10.3390/ijerph20146352

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] 高齢者ケアにおけるセンサーと IoT機器の使用に関する文献検討-日本語, 英語, 中国語のデータベースを用いて-2023

    • 著者名/発表者名
      段暁楠, 河井伸子, 山﨑由利亜, 小野年弘, 正木治恵
    • 雑誌名

      日本看護科学会誌

      巻: 43 ページ: 28~37

    • DOI

      10.5630/jans.43.28

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 高齢者ケア施設への介護ロボットおよびAI導入に関する倫理的・法的・社会的課題に関する- 考察 国内外のガイドラインの検討を通して2023

    • 著者名/発表者名
      小野年弘, 段暁楠, 正木治恵
    • 雑誌名

      老年看護学

      巻: 28 ページ: 36~40

    • オープンアクセス
  • [学会発表] Applying information and communication technology and nursing care robots in Japanese elderly care from the perspectives of care providers2023

    • 著者名/発表者名
      Yang, H., Masaki, H., Sasaki, C
    • 学会等名
      IAGG Asia/Oceania Regional Congress 2023
    • 国際学会
  • [学会発表] リアルタイム生活情報を収集するICT機器導入による高齢者ケア現場の変様2023

    • 著者名/発表者名
      正木治恵, 姚利, 山﨑由利亜, 楊惠晴
    • 学会等名
      第43回日本看護科学学会学術集会
  • [学会発表] 日本における高齢者向けのスマート用品2023

    • 著者名/発表者名
      正木治恵
    • 学会等名
      中華看護学会第5回全国看護産業発展
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会・シンポジウム開催] IAGG-AORサテライトセミナー「Gerontechnologyから高齢者ケアのイノベーションの可能性を探る」2023

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公開日: 2024-12-25  

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