研究実績の概要 |
令和5年度においては以下の研究を実施し、令和6年3月末開催の日本薬学会第144年会シンポジウム45「毒性終末糖化産物(TAGE)と健康」のセッションで成果を発表した。 【1】肝/心筋細胞障害:1)TAGE分解モデルCHK1変異体がGAによるTAGE修飾を受けて、ユビキチン・プロテアソーム系を介して迅速に分解されることを見出した(Cells 2023;12:2838)(竹田,坂井,竹内)。2)GA耐性細胞株の獲得を継続して実施した(石垣,中村)。【2】神経細胞障害:1)GA処理により軸索伸長に関与するβ-tublinの凝集が軸索形成不全を起こすことを見出した(Curr Alzheimer Res 2023;20:677)(郡山,古川,協力者,竹内)。【3】血管内皮細胞障害:1)RasGRP2安定過剰発現(R)株とMock(M)株をGA処理すると細胞内TAGEが生成されたが、R株では生成量が抑えられた(YAKUGAKU ZASSHI 2023;143:917)。2)GA添加によってTAGE修飾eNOSの高分子量バンドが検出された(瀧野,宮崎,協力者,竹内)。【4】小腸上皮細胞障害:1)Caco-2細胞における腸管バリア機能に対する影響が細胞内TAGE量と相関する結果が得られ、細胞内に蓄積したTAGEが腸管バリア、特に密着結合の破綻を引き起こす可能性が示された(松永,堀,岩尾,協力者,竹内)。【5】TAGE量測定とTAGE構造:1)海外共同研究の「癌と栄養に対するEPICコホート研究」において、血中TAGE量が結腸直腸癌特異的死亡率及び全死因死亡率と相関することを明らかにした(Int J Cancer 2023;152:2257)(竹内)。2)TAGEの推定構造を解明した(Med Hypotheses 2024;183:111248)(竹内,協力者,竹田,坂井)。
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