研究実績の概要 |
安全性:ブロック伝搬の高速化手法をいくつか提案し、そうした高速化を踏まえた性能(TPS)とセキュリティのトレードオフ調整手法を提案した。高速化手法の1つ目は、配信木を構築して、その上でブロックを伝搬させる手法である(Banno, IEICE Communications Express)。2つ目は、ブロック受信中でも他のノードからブロックを受信可能となったら、そちらに乗り換えることで送信の負荷を移して軽減する手法である(櫻井, 信学会 技術研究報告)。伝搬が速くなることで、フォーク発生率が下がり、安全性が向上する。伝搬が速くなったことで生まれた余裕の分、ブロック生成間隔を短縮することで、安全性を維持したまま、性能(TPS)を向上させる手法も提案した(荒川, 信学会 技術研究報告)。
分権性:ノードが保持する必要のあるデータを大きく減らす手法を2つ提案した。これにより、ノードの立ち上げ・運用が容易になり、運用者が増え、分権性が向上することが期待できる。1つ目は、トランザクションはノードではなく、ブロックチェーンを利用する側のクライアントが保持することとし、ノードはトランザクション群の整合性を確認するための情報のみを持つ手法である(Nagayama, IEICE Transactions)。2つ目は、多くのノードは、使用済みTXOは保持せず、未使用TXOのみを保持する手法である(Song, DEIM)。
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