研究実績の概要 |
安全性:ブロック伝搬の高速化手法をいくつか提案した。また、そうした高速化を踏まえた性能(TPS)とセキュリティのトレードオフ調整手法の研究を進め、発表した。高速化手法の1つ目は、配信木を1つではなく複数構築して、その上でブロックを伝搬させる手法である(北川, 信学会 技術研究報告)。2つ目は、伝搬させるデータを極限まで小さくして高速に伝搬させる手法である(長谷川, DEIM)。最初に伝搬させるデータは、ブロックが生成されたことを伝えるための最小限の情報を含み、ブロックそれ自体は後から伝搬させる。
安全性の指標として重要であるのは、フォーク発生率である。フォーク発生率を従来より精度よく記述する式を提案した(櫻井, 信学会 技術研究報告)(Sakurai, ICCE 2023)。
分権性:ブロックチェーンの方式によっては、正常動作のために、各ノードの時計がある程度正確であることが必要である。時計合わせをブロックチェーン外部(例:GNSS, GPS)に頼るということは、多くの場合、国に依拠するということであり、分権性を損ねる。そこで、ノード群で相互に時計を合わせる方式を提案した(三木, 信学会 技術研究報告)(Miki, Blockchain 2022)。
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