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2022 年度 実績報告書

インタラクション時系列分析による放牧牛の高感度ヘルスモニタリング

研究課題

研究課題/領域番号 21H04914
研究機関神戸大学

研究代表者

大川 剛直  神戸大学, システム情報学研究科, 教授 (30223738)

研究分担者 太田 能  神戸大学, システム情報学研究科, 教授 (10272254)
大山 憲二  神戸大学, 農学研究科, 教授 (70322203)
研究期間 (年度) 2021-04-05 – 2026-03-31
キーワード位置推定 / 無線センサタグ / 俯瞰画像データ / インタラクション検出
研究実績の概要

本研究では、放牧牛に装着した無線センサタグを利用して得られる様々な牛間インタラクションの時系列変化を精緻に分析することで、個別の牛から計測される運動情報や生体情報だけでは実現が困難であった高感度なヘルスモニタリング(ストレス検知、発情検知、健康状態把握、疾病・負傷発見)手法を創出する。令和4年度の主要な研究実績は以下の通りである。
放牧牛の自動モニタリングを実現するためには、牛の位置情報を正確に把握する必要がある。そこで、カルマンフィルタとRauch-Tung-Striebel smootherを用いたDead Reckoningによる放牧牛の位置推定を提案した。提案手法では、加速度センサの取得値を歩行に対応する動的加速度と静止状態に対応する静的加速度に分離し、牛に装着した無線センサタグの傾きや状態を検知することにより、取得データを補正するとともに、四足歩行動物の歩行特性を考慮した歩幅推定や角速度の積分値に基づく方位角推定を導入した。さらに,カルマンフィルタならびにRauch-Tung-Striebel smootherを用いることで、時系列の正順と逆順の双方から位置推定を行い、精度向上を図った。
また、放牧場を俯瞰的に捉えたカメラ画像に基づく牛のインタラクション抽出に関する基礎的検討を実施した。具体的には、牛の骨格グラフを利用し、牛間で関節の対応づけを行うことにより、相互作用に関連のある身体の部位に着目したインタラクションの検出を試みた。
さらに、実際の牛における異常状態の把握のため、血液検査を実施し、データ蓄積を行った。コルチゾールの血中値をもとにストレスの度合いを定量化するとともに、一般生化学検査を通して、牛の健康状態に関するデータを継続的に収集した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和4年12月までに、無線センサタグの放牧牛全頭への装着を行い、令和5年3月までに、牛の位置関係取得手法の開発や牛の行動・インタラクション推定手法の検討を行う予定であったが、牛全頭に装着する無線センサタグの製造に必要な部品である特注のセンシングデバイスに調達遅れが発生し、必要台数を年度内に揃えることが困難となった。そこで、繰越申請により、全頭への装着を延期するとともに、一部の牛にセンサタグを装着した状況で取得されたデータを用いて、新たな位置推定手法の開発を行うとともに、実際の現場データを用いて位置推定実験を実施した。また、次年度以降に実施する予定であった俯瞰動画像データに基づくインタラクション検出に関しては、センサタグが必ずしも必要ではないことから、その基礎的な検討を前倒して実施した。

今後の研究の推進方策

今後の研究方策としては、無線センサタグを放牧牛全頭に装着し、位置推定実験を進めるとともに、センサデータに基づく牛間のインタラクション検出手法を開発する。また、牛の位置情報をもとにネットワークを構築し、社会性ネットワーク分析により、群れや個体の異常を検知することを試みる。さらに、俯瞰動画像データを利用したインタラクション分析に必要な各種手法についても開発を進める予定である。また、実際の牛の状態については、長期的な観察が必要であり、継続的に血液検査を実施し、データの蓄積に努める。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] SCIRNet: Skeleton-based cattle interaction recognition network with inter-body graph and semantic priority2023

    • 著者名/発表者名
      Yang Yang, Komatsu Mizuka, Oyama Kenji, Ohkawa Takenao
    • 雑誌名

      Proceedings of the 2023 International Joint Conference on Neural Networks

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1109/IJCNN54540.2023.10191592

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Real-Time Cattle Interaction Recognition via Triple-stream Network2022

    • 著者名/発表者名
      Yang Yang, Komatsu Mizuka, Ohkawa Takenao, Oyama Kenji
    • 雑誌名

      Proceedings of the 21st IEEE International Conference on Machine Learning and Applications

      巻: 21 ページ: -

    • DOI

      10.1109/ICMLA55696.2022.00016

    • 査読あり
  • [学会発表] カルマンフィルタとRauch-Tung-Striebel Smootherを用いたdead reckoningによる放牧牛の位置推定2023

    • 著者名/発表者名
      若菜理志,大川剛直,小松瑞果,太田 能,大山憲二
    • 学会等名
      情報処理学会第85回全国大会

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公開日: 2024-12-25  

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