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2021 年度 実績報告書

医療ビッグデータから難治性疾患の創薬標的を予測する革新的AI手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21H04915
研究機関九州工業大学

研究代表者

山西 芳裕  九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (60437267)

研究分担者 石崎 敏理  大分大学, 医学部, 教授 (70293876)
研究期間 (年度) 2021-04-05 – 2026-03-31
キーワード創薬標的 / ビッグデータ / AI / 医療
研究実績の概要

近年の医薬品開発は非常に困難な状況にある。また創薬ターゲットの枯渇が深刻化しており、近年の創薬の低迷の一因となっている。既存の研究手法では限界があるため、ビッグデータや人工知能(AI)技術の有効活用が切望されている。本研究では、医療データやオミックスデータを解析し、創薬ターゲットを予測する人工知能(AI)の基盤となる機械学習手法の研究開発を行う。潰瘍性大腸炎、クローン病などに関する患者の遺伝子発現情報、病因遺伝子、配列変異、環境因子、診断マーカー、治療標的、異常パスウェイなどの分子機序データを、OMIM, KEGG, GEOなどのデータベースや文献から整備した。疾患の分子機序データの類似性に基づく機械学習モデルを構築した。疾患-タンパク質の関係性の情報を収集して、情報解析できる電子データの形に整備した。各タンパク質に対するモデルを構築し、各タンパク質に対して疾患の治療標的となるかかどうかを予測した。さらに、タンパク質をコードする遺伝子に摂動を加えた時のヒト細胞の遺伝子発現プロファイルを解析し、疾患の新しい創薬ターゲット分子を予測する方法を検討した。提案手法は、ドラッグリポジショニングの概念を拡張し、ターゲットリポジショニングの実現を可能にした。提案手法のアルゴリズムやその解析結果を論文にまとめ、バイオインフォマティクス分野のトップジャーナルであるBioinformatics誌に投稿した。第10回生命医薬情報学連合大会でポスター発表、情報計算化学生物学会(CBI学会)2021年大会で口頭発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

疾患の分子機序データの類似性に基づいて、各タンパク質に対して疾患の治療標的となるかかどうかを予測する機械学習モデルのプロトタイプを構築することができた。提案手法は、ドラッグリポジショニングの概念を拡張し、ターゲットリポジショニングの実現を可能にした。提案手法の論文を、Bioinformatics誌に投稿した。第10回生命医薬情報学連合大会でポスター発表、情報計算化学生物学会(CBI学会)2021年大会で口頭発表を行った。

今後の研究の推進方策

現在の機械学習モデルは、線形モデルなので、非線形モデルへの拡張を行うことを検討する。潰瘍性大腸炎、クローン病などに関する患者の遺伝子発現情報、病因遺伝子、配列変異、環境因子、診断マーカー、治療標的、異常パスウェイなどの分子機序データを、最新のデータに全て更新する。siRNAだけでなくCRISPERを用いたノックダウンデータも収集して整備する。既知の創薬ターゲット情報は、現在独自に文献から収集・整備しているが、更に拡充する。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 7件)

  • [雑誌論文] Epigenetic landscape of drug responses revealed through large-scale ChIP-seq data analyses2022

    • 著者名/発表者名
      Zou Zhaonan、Iwata Michio、Yamanishi Yoshihiro、Oki Shinya
    • 雑誌名

      BMC Bioinformatics

      巻: 23 ページ: 51

    • DOI

      10.1186/s12859-022-04571-8

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] AIによるデータ駆動型研究が拓く生命医科学と創薬2022

    • 著者名/発表者名
      山西芳裕
    • 学会等名
      第1393回生物科学セミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] From drug repositioning to target repositioning: omics-based prediction of therapeutic targets for a variety of diseases2021

    • 著者名/発表者名
      難波里子、岩田通夫、山西芳裕
    • 学会等名
      情報計算化学生物学会(CBI学会)2021年大会
  • [学会発表] ターゲットリポジショニング:遺伝子摂動応答トランスクリプトームを用いた創薬標的予測2021

    • 著者名/発表者名
      難波里子、岩田通夫、山西芳裕
    • 学会等名
      第10回生命医薬情報学連合大会
  • [学会発表] 臨床ビッグデータからの疾患予防薬の探索と治療標的の推定2021

    • 著者名/発表者名
      岡本紗枝、澤田隆介, 山西芳裕
    • 学会等名
      第10回生命医薬情報学連合大会
  • [学会発表] AIによるデータ駆動型研究が拓く創薬と医療2021

    • 著者名/発表者名
      山西芳裕
    • 学会等名
      第26回 AI・データ利活用研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] AIによるデータ駆動型研究が拓く生命医科学と創薬2021

    • 著者名/発表者名
      山西芳裕
    • 学会等名
      バイオDXの最前線 - JST戦略的創造研究推進事業 CREST「データ駆動・AI駆動を中心としたデジタルトランスフォーメーションによる生命科学研究の革新[バイオDX]」キックオフシンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] AIによるデータ駆動型研究が拓く創薬と医療2021

    • 著者名/発表者名
      山西芳裕
    • 学会等名
      技術士CPD研鑽会
    • 招待講演
  • [学会発表] AIによるデータ駆動型研究が拓く創薬と医療2021

    • 著者名/発表者名
      山西芳裕
    • 学会等名
      薬物動態談話会 第44年会
    • 招待講演
  • [学会発表] AIによるデータ駆動型研究が拓く創薬と医療2021

    • 著者名/発表者名
      山西芳裕
    • 学会等名
      ゲノム創薬・創発フォーラム 第8回シンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] AIによるデータ駆動型研究が拓く創薬と医療2021

    • 著者名/発表者名
      山西芳裕
    • 学会等名
      情報計算化学生物学会(CBI学会)2021年大会, シンポジウム「国内 AI 創薬の最前線」
    • 招待講演

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公開日: 2022-12-28  

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