研究課題/領域番号 |
21H04916
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
藤代 一成 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (00181347)
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研究分担者 |
茅 暁陽 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (20283195)
安達 登 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (60282125)
竹島 由里子 東京工科大学, メディア学部, 教授 (20313398)
植村 誠 広島大学, 宇宙科学センター, 准教授 (50403514)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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キーワード | 知識獲得 / 出自管理 / 深層学習 / 視覚計算応用 |
研究実績の概要 |
全5カ年計画の2年目にあたる本年度に実施した主要な研究内容は以下通りである. まず,初年度に設計した,MSPL (Multi-Scale Planar Lattice,マルチスカラ平面格子)のデータ表現の出自管理を深層学習する視考支援基盤アーキテクチャをベースとして,専用代数系をサポートするデータフロー型ビジュアルプログラミング環境の詳細設計と実装を概ね完了し,各種応用問題への適用の素地を固めた.また,これに関連する,進化的スキーマ設計の考え方を国際会議で発表した. 一方,四例の挑戦的視覚計算応用問題については,(i) 大局照明効果を有する人物全身像の画像コンポジット問題に関する正規の国際学術誌論文1件が公刊された.また,派生問題である,自然な見えを保証されたNon-Player Character群衆の深層学習ベース自動生成についても,正規の国際学術誌論文1件が公刊された.さらに,大域照明効果については,鉱物の遊色効果表現や多光源の経路誘導について,国内学術誌論文2件が公刊されている.(ii) 周囲の自然景観に調和する仮想物体の経年変化制御問題については,金属物体上の塗膜の亀裂・湾曲表現を,静力学的破壊判定と位置ベース変形による準静的過程のビジュアルシミュレーションに基づいてより克明に描画できるようになり,CG系最高峰の国内会議で論文賞第2席を受賞している.(iii) 光赤外天文学では,マルチスペクトルデータ解析に微分位相特徴を取り込むことに成功し,米国・デンバー大学から提供された銀河データを用いてその効果が検証されつつある.(iv) 遺体損傷の成傷機転を推定する計算法科学データ分析環境については,国際学術誌に1編論文が公刊されている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
MSPLデータフロー型汎用ビジュアルプログラミング環境を具体的に開発できている.また,当初より幅広いCG/AR問題に対して,深層学習効果を確認できている.
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今後の研究の推進方策 |
ELITE基盤環境の挑戦的視覚計算応用問題への適用を開始し,深層推移学習のメカニズムを具体的に検討する. 一方,各種応用問題については,誘目性を考慮して複数対象を合成する画像コンポジット,対象物体の経年劣化度の双方向制御を管理し,周囲の環境の経年劣化度に合致させる機構の実現,3次元ボリュームを微分位相解析する際のロバスト性の対話的制御とボリュームレンダリングのための多次元伝達関数の対話的設計,計算法科学ワークフローに沿った没入的視覚分析操作のサジェスティブインタフェース開発等を試みる. さらに,派生問題の検討も進める.例えば,大局照明効果については,通常照明環境下での複数の投影像から物体表面の法線,輝度,微細構造を深層学習によって精度良く推定する逆問題の取り扱いを開始する.
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