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2021 年度 実績報告書

森林の生物多様性の分布形成機構の解明に基づく気候変動に適応的な保護区の提示

研究課題

研究課題/領域番号 21H04946
研究機関国立研究開発法人森林研究・整備機構

研究代表者

正木 隆  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (60353851)

研究分担者 中尾 勝洋  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (30758587)
久保田 康裕  琉球大学, 理学部, 教授 (50295234)
比嘉 基紀  高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 講師 (60709385)
深澤 春香 (大橋春香)  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (60868066)
研究期間 (年度) 2021-04-05 – 2024-03-31
キーワード生物多様性 / 森林保護区 / 気候変動 / 分布域変化 / 適応策 / 生物分布図
研究実績の概要

代表的な保護林の一つである北茨城の小川群落保護林で収集されてきたデータを整理し、温帯の代表的な樹木17種の個体群動態指標(死亡率、成長率)を、当年生実生から直径80cm以上の大径木まで12に区分したステージごとに推定した。これらの推定値をデータセットとしてとりまとめ、Dryadで公開した。
このデータセットを予備的に解析した結果、全体的に小径木前のステージで枯死率が高く、その後中径木のステージで低下し、大径木のステージで再び高まることが明らかになった。また、コナラは小径木ステージで枯死率が相対的に高いが大径木のステージでは他種より低いこと、イヌブナは概ねその逆のパターンであること、イタヤカエデは生涯を通じて枯死率が低めであること、直径約30cmまでしか成長しない亜高木性のハクウンボクはその直前まで中庸なパターンを示すこと、など種ごとの特徴が明らかになった。
さらにこれら17種の種子に関する情報(種子散布によって遠方に運ばれる確率、発芽して実生となる確率)も推定し、シミュレーションモデル用のデータセットを完成した。
また、生物多様性の非平衡仮説検証に資するニッチモデリングの開発、生物多様性分布に影響を及ぼす環境不均質性・特殊地形のモデル化、ニホンジカの生息密度と植物の枯死率に関する全国規模での解析にも着手した。
以上により、3年間の研究の基盤をおおむね構築することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ポスドクの雇用開始が予定よりも遅延したことにより、着手するのが遅くなった基盤情報の構築だが、これらについては経費の繰越により初年度の目標を達成することができた。ただし、新型コロナウイルスの影響により、出張による調査をほとんど行うことができなかったため、実際の野外でのデータの収集に遅れが生じ、これについても経費を繰越して対応したが、一部は未達成で終わった。

今後の研究の推進方策

新型コロナウイルスの問題も沈静化しつつあることから、当初の目標を計画通りに達成できるよう、研究を加速していく。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] From nature reserve to mosaic management: Improving matrix survival, not permeability, benefits regional populations under habitat loss and fragmentation2022

    • 著者名/発表者名
      Yamaura Yuichi、Fletcher Robert J.、Lade Steven J.、Higa Motoki、Lindenmayer David
    • 雑誌名

      Journal of Applied Ecology

      巻: 59 ページ: 1472~1483

    • DOI

      10.1111/1365-2664.14122

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Interspecific variation in mortality and growth and changes in their relationship with size class in an old‐growth temperate forest2021

    • 著者名/発表者名
      Masaki Takashi、Kitagawa Ryo、Nakashizuka Tohru、Shibata Mitsue、Tanaka Hiroshi
    • 雑誌名

      Ecology and Evolution

      巻: 11 ページ: 8869~8881

    • DOI

      10.1002/ece3.7720

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] ブナ林を伐採・放置すると頑固なササ原に変化する2021

    • 著者名/発表者名
      正木隆
    • 雑誌名

      グリーン・パワー

      巻: 509 ページ: 6-7

  • [雑誌論文] ブナの天然更新技術~研究50年目の最前線~2021

    • 著者名/発表者名
      正木隆
    • 雑誌名

      森林技術

      巻: 950 ページ: 28-31

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 都市林の鳥類組成:景観構造、林分構造、果実資源量の相対的重要度2022

    • 著者名/発表者名
      正木隆、折戸咲子、上條隆志
    • 学会等名
      日本森林学会大会

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公開日: 2023-12-25  

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