研究課題/領域番号 |
21H04949
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
山下 信義 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 上級主任研究員 (40358255)
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研究分担者 |
谷保 佐知 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究グループ長 (00443200)
登尾 浩助 明治大学, 農学部, 専任教授 (60311544)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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キーワード | ペルフルオロオクタンスルホン酸 / 残留性有機汚染物質 / PFOS / PFAS / 農産物 / 農業環境汚染 / 国際比較 / 環境修復技術 |
研究実績の概要 |
カドミウム・水銀等の農産物への吸収抑制技術は開発されているが、残留性有機汚染物質(POPs: Persistent Organic Pollutants)についての知見は大きく不足している。特に最近確認されたPOPs条約規制対象有害物質のペルフルオロアルキル化合物(PFAS)がイネ・白米へ吸収される現象は、アジア農産物におけるPFAS暴露リスク評価の緊急性を明らかにした。 本研究では「イネ・白米へのPFAS吸収現象と稲わらリサイクルによるPFAS汚染の長期化」の追試を目的として、ライシメーターと実際の圃場の両方でイネの生長過程・収穫プロセス(籾・脱穀・精米)ごとにPFASの吸収現象の詳細解析を行い、論文発表した。2019年に確立した最新の国際標準分析法ISO21675を用いて信頼性の高い測定値を拡充した。水・土壌・植物体中の39種類のPFAS一斉分析技術はISO21675として確立済みであり、新たに大気中粒子・ガスのPFAS一斉分析を可能にするOrbitrap高分解能質量分析計を用いた新技術を開発、論文発表した。さらに世界初の大気中PFASのマスバランス解析技術をインパクトファクター10.8の高引用係数論文として国際誌に発表することができた。 また土壌ダスト中PFASのインド全国調査の結果も論文発表した。さらに、スウェーデン農業科学大学(SLU)より派遣されたJSPSフェローと協力して行った、耕作土壌中のPFASの環境修復技術について、液状活性炭を用いた全く新しい環境修復技術を開発し、論文発表した。本年度は多数の成果の論文発表に成功しており、特にPFAS環境修復技術については社会的に即効性の高い研究成果として、今後の発展が期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では「イネ・白米へのPFAS吸収現象と稲わらリサイクルによるPFAS汚染の長期化」の追試を目的として、ライシメーターと実際の圃場の両方でイネの生長過程・収穫プロセス(籾・脱穀・精米)ごとにPFASの吸収現象の詳細解析を行い、論文発表した。2019年に確立した最新の国際標準分析法ISO21675を用いて信頼性の高い測定値を拡充した。水・土壌・植物体中の39種類のPFAS一斉分析技術はISO21675として確立済みであり、新たに大気中粒子・ガスのPFAS一斉分析を可能にするOrbitrap高分解能質量分析計を用いた新技術を開発、論文発表した。さらに世界初の大気中PFASのマスバランス解析技術をインパクトファクター10.8の高引用係数論文として国際誌に発表することができた。 また土壌ダスト中PFASのインド全国調査の結果も論文発表した。さらに、スウェーデン農業科学大学(SLU)より派遣されたJSPSフェローと協力して行った、耕作土壌中のPFASの環境修復技術について、液状活性炭を用いた全く新しい環境修復技術を開発し、論文発表した。本年度は多数の成果の論文発表に成功しており、特にPFAS環境修復技術については社会的に即効性の高い研究成果として、今後の発展が期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
また土壌ダスト中PFASのインド全国調査の結果を拡充し、アジア農業におけるPFAS汚染の実態把握を試みる。 さらに、スウェーデン農業科学大学(SLU)より派遣されたJSPSフェローと協力して行った、耕作土壌中のPFASの環境修復技術について、液状活性炭を用いた全く新しい環境修復技術を開発しており、これを発展させて、国内PFAS汚染問題を解決できる新技術開発を試みる。
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