研究課題/領域番号 |
21H04961
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
加納 英明 九州大学, 理学研究院, 教授 (70334240)
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研究分担者 |
桶谷 亮介 九州大学, 理学研究院, 助教 (00908890)
本城 咲季子 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 助教 (30551379)
林 悠 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 客員教授 (40525812)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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キーワード | ラマン / イメージング / 顕微鏡 / 第二高調波 / CARS / SHG |
研究成果の概要 |
睡眠のメカニズムの解明を目指して、非線形ラマン散乱による新しい分子イメージング手法の開発を行った。本手法により、マウスの脳内分子分布を詳細に観察できるようになった。特に、マウスの海馬および脳室で特異的な第二高調波発生信号を検出し、それが神経細胞の一次線毛および脳室表層の上衣細胞の繊毛に由来することを明らかにした。後者の知見は、睡眠時に脳内の不要物質がクリアランスされる過程を可視化する新たな手段になりうることが期待される。また、線虫を用いた研究では、細胞内カルシウム濃度の上昇が「睡眠恒常性」の分子メカニズムに関与することを示した。以上の成果は睡眠の複雑なメカニズム解明に新たな道を拓くものである。
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自由記述の分野 |
分子イメージング
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的特徴の一つとして、フォワードジェネティクスの研究スタイルをメソドロジーにも拡張した点が挙げられる。対象を特定せず、スペクトルベースで細胞・生体組織の隠れた特徴を探索することで、脳室表層に存在する上衣細胞がもつ繊毛の可視化に成功した。脳室に満たされている脳脊髄液は、睡眠時に脳内不要物質のクリアランスに寄与しているとの報告があるため、この知見は睡眠に関連する脳内病態をラベルフリーで可視化できる可能性がある。以上のように、“仮説を立てない(仮説探索型)研究スタイル”の特徴を活かすことで、従来のイメージングでは得られない新しい発見が得られた。
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