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2021 年度 実績報告書

「国家機関間規範」の性質およびその国際人権法上の位置づけ

研究課題

研究課題/領域番号 21J00018
研究機関同志社大学

研究代表者

高田 陽奈子  同志社大学, 法学部, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2021-04-28 – 2024-03-31
キーワード国家機関間規範 / 国内人権機関に関するパリ原則 / パリ原則の解釈 / 議会と人権に関する原則草案 / 人権条約の実現過程における議会の役割
研究実績の概要

本年度は、次の2つの作業を行った。
第1に、国家機関間規範の体系的理解への第一歩として、グローバル国内人権機関連盟(GANHRI)の実践の分析を通じて、国内人権機関に関するパリ原則がどのように解釈適用されているかの検討を行った。その結果、GANHRIによるパリ原則の解釈適用には、①ダイナミックな解釈の原則、②規範的グラデーションの原則、そして③総合的評価の原則、の3つの原則が用いられていることを明らかにし、そうした原則が、国家間の規範としての国際法とは異なり、国家機関間のインフォーマルな規範であるというパリ原則の固有の性質に由来するものであることを示した。この研究成果に基づいて、アジア国際法学会日本協会第12回研究大会において研究報告を行い(Best Paper Award受賞)、また、その報告で得られたフィードバックを踏まえて執筆した論文は国際査読誌であるNordic Journal of Human Rightsへの掲載が決定している。
第2に、国内議会間の規範の生成過程や内容、その履行確保の方法、そしてそうした規範が国際人権条約の実現において果たしている役割について研究した。その際には、日本やその他諸外国の議会が、どの程度・どのように、国内議会間の規範に整合的な実行を行っているかについても調査した。その研究成果の一部は、国際査読誌Human Rights Law Reviewに掲載され、また、雑誌『法律時報』にも特集「グローバル法VS国際法――国内における実現の場面から」を構成する論文として掲載された。
2022年4月より常勤の大学教員職に就くことになったため、2022年3月末で学振特別研究員PDを辞退した。これにより、本研究課題は1年で終了することとなるが、その研究内容については別の研究課題に統合する形で継続して行きたいと思っている。

現在までの達成度 (段落)

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

今後の研究の推進方策

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Reconstructing the Roles of Human Rights Treaty Organs under the ‘Two-Tiered Bounded Deliberative Democracy’ Theory2022

    • 著者名/発表者名
      Takata Hinako
    • 雑誌名

      Human Rights Law Review

      巻: 22 ページ: 1-25

    • DOI

      10.1093/hrlr/ngac002

    • 査読あり
  • [雑誌論文] How are the Paris Principles on NHRIs Interpreted? Towards a Clear, Transparent, and Consistent Interpretative Framework2022

    • 著者名/発表者名
      Hinako Takata
    • 雑誌名

      Nordic Journal of Human Rights

      巻: forthcoming ページ: ー

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 人権条約の実現における議会の役割――グローバルな法実践における規範・アクターの 多元化の一例として2022

    • 著者名/発表者名
      髙田陽奈子
    • 雑誌名

      法律時報

      巻: 94 (4) ページ: 58-64

  • [雑誌論文] NHRIs as Autonomous Human Rights Treaty Actors2021

    • 著者名/発表者名
      Takata Hinako
    • 雑誌名

      Max Planck Yearbook of United Nations Law Online

      巻: 24 ページ: 170~200

    • DOI

      10.1163/18757413_02401007

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 人権条約における個別の国家機関の位置づけ――単一の国際法的実体としての「国家」の解体――(3)2021

    • 著者名/発表者名
      髙田陽奈子
    • 雑誌名

      法学論叢

      巻: 189 (2) ページ: 53-75

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 人権条約における個別の国家機関の位置づけ――単一の国際法的実体としての「国家」の解体――(4)2021

    • 著者名/発表者名
      髙田陽奈子
    • 雑誌名

      法学論叢

      巻: 189 (5) ページ: 60-86

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 人権条約における個別の国家機関の位置づけ――単一の国際法的実体としての「国家」の解体――(5)2021

    • 著者名/発表者名
      髙田陽奈子
    • 雑誌名

      法学論叢

      巻: 189 (9) ページ: 56-81

  • [雑誌論文] 人権条約における個別の国家機関の位置づけ――単一の国際法的実体としての「国家」の解体――(6・完)2021

    • 著者名/発表者名
      髙田陽奈子
    • 雑誌名

      法学論叢

      巻: 190 (1) ページ: 67-90

  • [雑誌論文] 【書評】松田浩道『国際法と憲法秩序――国際規範の実施権限』 (東京大学出版会・2020年)2021

    • 著者名/発表者名
      髙田陽奈子
    • 雑誌名

      国際人権

      巻: 32 ページ: 127-129

  • [学会発表] 欧州人権裁判所における判決不履行確認訴訟制度の実効性と課題~イルガル・ママドフ判決(不履行確認訴訟)を題材に~2022

    • 著者名/発表者名
      髙田陽奈子
    • 学会等名
      国際人権法学会 多層的人権保障システム研究インタレスト・グループ研究会
  • [学会発表] The Unique Place of the Paris Principles on NHRIs in International Human Rights Law: How are the Paris Principles Interpreted?2021

    • 著者名/発表者名
      Hinako Takata
    • 学会等名
      The 12th Annual Conference of the Japan Chapter of Asian Society of International Law
    • 国際学会
  • [学会発表] 人権条約機関と個別の国家機関との間の、トランスナショナルな権力分立 ~人権条約機関の近年の実践に関する考察~2021

    • 著者名/発表者名
      髙田陽奈子
    • 学会等名
      京都国際法研究会

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公開日: 2022-12-28  

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