研究実績の概要 |
今年度は、電子あるいはミューオンのg因子測定における地球重力の影響について研究した。結果として、地球の重力効果の内、自転が及ぼす影響が最も大きいことを明らかにした。地球の自転の効果は、現在の電子/ミューオンg因子測定実験の感度には届いていないので無視できるが、近い将来には測定可能であろうことも示した。この研究成果は、論文として学術雑誌Classical and Quantum Gravityに投稿されている。 Asuka Ito, "Inertial and gravitational effects on a geonium atom," Class. Quantum Grav. 38 (2021) 195015.
また電子スピンに関連する現象の発展的な研究として、アクシオンダークマターによる電子スピン励起現象の量子非破壊測定に関して理論的定式化を行った。さらに実際の実験データを用いて、アクシオン-電子相互作用に実験的制限を与えることに成功した。これらの研究成果は論文としてPhysical Review Dに投稿されている。 Tomonori Ikeda, Asuka Ito, Kentaro Miuchi, Jiro Soda, Hisaya Kurashige, Yutaka Shikano, "Axion search with quantum nondemolition detection of magnons," Physical Review D (2022).
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