研究課題
本研究課題は新しい生体用多光子放出核種の探索・製造とともに、多光子同時計測による高信号対雑音比(SBR: Signal-to-Background Ratio)かつ高感度位置特定手法の検証を行い、多核種同時イメージング技術の確立を目指すことを目的としている。本年度は引続きSi/GFAGコンプトンPETハイブリッドカメラの開発検証を行うとともに、新規治療核種であるベータ線放出核種の67CuとSPECT核種の111Inの二光子同時計測による高SBRイメージングの検証を実施した。1)Si/GFAGコンプトンPETハイブリッドカメラを構築し、18F(PET核種)と99mTc (SPECT核種, 140.5 keVガンマ線)の同時撮像試験を行った。これまで開発したGAGG検出器によるカメラと比べ検出効率が2桁ほど落ちるものの、GAGGカメラでは難しかった100 keV~200 keVの低エネルギーガンマ線のコンプトンイメージングとPETイメージングによる同時撮像に成功した。2)理化学研究所のAVFサイクロトロンを用いて新しい多光子放出核種かつ治療核種の67Cuの製造を行い、パラレルホールコリメータとスリットホールコリメータを用いた二光子同時計測手法による67Cu/111Inの多核種撮像検証を行った。スリットコリメータは核種位置を面上にしか制限できないが、90度方向に配置したパラレルホールコリメータを用いて1点に位置を特定することができる。111Inの点線源を用いて、パラレルコリメータのみで構成した場合と比較し、スリットコリメータを用いることで検出効率が5.3倍向上することを実証した。さらに、67Cu(91.3 keVと93.5 keVのガンマ線)と111In(171 keVと245 keVのガンマ線)の分布線源の提案手法による高SBR同時イメージングに成功し、その有用性を示した。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 7件)
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