研究課題
本年度は、作年度に引き続いてダイナミックプライシングに基づく需要家向け次世代エネルギーマネジメント技術に関する研究を実施した。特に、ダイナミックプライシング環境下で蓄電池、家電、空調の最適なスケジュールを決定して電気代の削減と熱的快適性維持のトレードオフ改善を図るフレームワークを提案した。提案フレームワークは、変動する将来の電力価格、太陽光発電予測、直近データに基づく快適室温予測を入力として用いることによって、高精度かつ電気代削減と熱的快適性維持を両立する運用スケジュールを求めることが可能である。当該の研究成果は国際論文誌にて採択済み・発行予定である。一方で、本年度は大学キャンパスにて空調の実証実験環境を構築した。上記エネルギーマネジメント技術を空調マネジメントへと特化させ、夏季・冬季双方で実証実験を行った。提案手法は最適化計算に基づく空調マネジメントによって、熱環境を不快にすることなく、通常の成り行き運転に比べて電力ピーク・消費電力量双方の削減に成功した。本実験では固定価格を入力として用いたが、電力価格を最適化計算の入力に用いることで容易にダイナミックプライシングを考慮した空調マネジメントへと拡張可能である。この実証的研究に関する成果については国際論文誌にて発表し、更に最新の研究結果を国際学会にて発表予定である。今後は、ダイナミックプライシングを考慮した需要家向け次世代エネルギーマネジメント技術の拡張および改良を引き続き実施する予定である。また、シミュレーション上において、多数(数百棟以上)の需要家に対しても高速で適切な電力価格を決定可能なダイナミックプライシング手法について研究を行い、需要家のエネルギーマネジメント技術と協調運用を行う。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2023 2022 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 4件、 招待講演 1件) 備考 (2件)
IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences
巻: E106.A ページ: 54~63
10.1587/transfun.2022EAP1029
巻: - ページ: -
10.1587/transfun.2022MAI0001
Journal of Information Processing
巻: 30 ページ: 476~485
10.2197/ipsjjip.30.476
https://sites.google.com/view/daichiwatari/home_jp
http://www-ise2.ist.osaka-u.ac.jp/