緑茶は抗酸化物質が豊富,慢性疾患の予防に重要な役割を果たしており, 多くの国で最も人気のある飲料の 1 つになっている. 機械製茶による煎茶 の製造工程は,基本的に,蒸熱,粗揉,揉捻,中揉,精揉,および乾燥の 6 操作で構成される.それら操作の条件を精密に調整することで,最終製品となる煎茶茶葉の品質向上が図られている.緑茶製品間の化学組成の違いは,一般的に茶葉の主産地と加工の異なる条件に起因する. 本研究は,加工条件(揉捻時間)が日本緑茶の機能品質に及ぼす影響を調査することを目的としている.茶葉の形態と微細構造を観察し,総ポリフェノール含有量 (TPC)と総抗酸化活性抗酸化活性(DPPH-ラジカル捕捉能と鉄還元抗 酸化力(FRAP)を茶葉と抽出液で評価した.茶葉を揉捻時間(15、30、60 分間)によって加工された.生産加工された茶葉の生物活性化合物(TPC)および抗酸化活性 (DPPH,FRAP)を評価し,そして,in vitro 人工消化実験における緑茶の生物活性化合物および抗酸化性の変化も調べた.異なる消化処理時間で消化液を抽出し,生物活性化合物の含有量抗酸化性を測定した. 強化された製造プロセスが,サンプルからの生物活性化合物の溶解および抗酸化活性の増加をもたらしたことを示した.茶浸出液における生物活性化合物と抗酸化活性は,人工体外消化を通して減少した.一方ですべてのサンプル の抗酸化性は胃と小腸の消化段階を通して安定しており,pH と消化酵素 の変化により小腸の消化が始まる間に明らかな値の変化を示した. したがって,加工条件がサンプル中の抗酸化物質の消化に耐える能力に影響を与えることを示唆している.
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