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2021 年度 実績報告書

時が流れる感覚の神経基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21J10507
研究機関大阪大学

研究代表者

羽生 奈央  大阪大学, 生命機能研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2021-04-28 – 2023-03-31
キーワード時間知覚 / 逆再生動画 / 運動予測 / 認知神経科学 / 認知心理学
研究実績の概要

本研究は、脳内に、「時の流れる方向についての手がかり」を検出する領域が存在するかどうか、得られた手がかりの情報を統合(積分)する領域が存在するかどうか、を解明することを目的に遂行してきた。今年度は、fMRI 法で「時の流れる方向についての手がかりを検出する領域が存在するかどうか」を明らかにすることを中心に取り組んだ。具体的には、(1) 実験に用いる自然動画刺激の選出、(2) MRI実験の実施、(3) データの解析、(4) 論文の執筆、(5) 国際誌への投稿を予定していた。本年度中の達成状況として、(1)から(3)を完遂し、(4)を進めている。
解析の結果、時の流れる方向を判断する課題では、動画の観察中に、小脳を含む複数の脳領域が活動した。さらに、これらの脳領域の活動から、右半球優位の小脳-大脳間のネットワークの存在が明らかになった。一方で、全く同一の動画刺激と実験手続きで、課題のみを異なるものに設定した統制条件では、動画観察中の小脳の活動はみられず、右半球優位のネットワークもみられなかった。この結果は、時の流れる方向の手がかりは、順モデルとして記憶されていることを示唆する。このことから、私たちは、小脳を含む領域が立てた運動方向の予測と、実際に観察された視覚情報が一致すれば時は順方向に流れ、一致しなければ時は逆方向に流れたと認識すると考えられる。第1年度目終了の時点で、fMRI 法を用いた研究の分析は終了しており、概ね期待通りに研究が進展した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

fMRI法を用いた研究の分析が終わり、国際誌への投稿準備中であるため。

今後の研究の推進方策

“時が流れる”感覚に関する研究の論文を国際誌に投稿する。国内学会にて研究結果の発表を行う(6月の国内学会発表が受理済み)。今後は、小脳-大脳間のネットワークの働きが、時の流れる方向の判断に不可欠であることを示すため、経頭蓋静磁場刺激(tSMS)法を用いネットワークに関わる脳領域の活動を阻害する実験を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 自然動画が持つ時間の向きの情報は時間長知覚を増大させる2022

    • 著者名/発表者名
      羽生奈央 渡邉慶 北澤茂
    • 学会等名
      日本認知心理学会第19回大会
  • [学会発表] Neural correlates of subjective discrimination between the directions of time flow2022

    • 著者名/発表者名
      Nao Hanyu, Kei Watanabe, & Shigeru Kitazawa
    • 学会等名
      第45回日本神経科学大会

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公開日: 2022-12-28  

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